「7つの習慣」は、外側から押しつけられるルールではない。
自分の内側の反応を変えること。
つまり、「自分の心の声」が根本です。
「人格を磨く」とはいっても、人格とは何なのか。
「誠実に生きる」とはいっても、誠実とは何なのか。
それを学ぶのが、「7つの習慣」。
特に大事なのは、次の決意をすることだと言われています。
私は良心に従って生きていこう。
今から私は、周囲の声や世相、先入観、自分の行動を正当化する声に惑わされないことだ。
たとえ、どんな結果になろうとも、私は良心に従って生きよう。
このような決意をした時点で、すでに良心を恐れるのではなく、良心を愛し始めるような生活を築くことになる。
(7つの習慣)
習慣を身につけると、どうなるか……
- 裁く人より、光を与える人になれる
- 批判者より、模範者になれる
- 問題をつくり出す人より、問題解決ができる人になれる
さて、どうすれば、そうなれるのでしょうか。。
主体的に生きるためには、どうすればいい?
7つのうちの第一の習慣が、「主体性を発揮する」。
何よりもまずは、主体的に生きることが一番。
主体的に生きられない人とは、「反射的に生きている人」。
主体的の反対は、「反射的」
刺激に対して、突発的に反応すること
同じことを何度も繰り返し、何も変わらないのは、反射しているだけの状態。
反射的になると、どうなる?
- カッとなって怒る
- 「つい言ってしまった」を繰り返す
- 「なんで私だけ?」と抑うつ的になっていく
- 悩みを抱えて、ぼうぜんとする
要するに、起きた出来事や、今の現状に対し、ただただ感情的に反射するだけ。
環境や状況に流され、自分の感情に振り回されて生きている感覚です。
自分で問題を解決できないから、依存的になる
「誰かに何とかしてほしい」という生き方。
「誰か」や「何か」に支配されるだけの生き方になります。
- 「私はこういう人間だから、しょうがない」
- 運命に支配される
- 「あいつは頭にくる」
- 外的な力に支配される
- 「時間がなくて、できない」
- 時間に支配される
- 「○○さんが、○○だったら・・・」
- 他人に支配される
- 「やらなきゃ」
- 状況に支配される
反射的に動いている限り、自分軸になれない
反射的とは、自分の意志で選択できないこと。
だから、自分の芯をもつことができません。
反射的に生きるのではなく、主体的に生きよう
- 反射的に生きる
- 「誰か」や「何か」に依存する
- 感情に振り回される
- 自分で問題解決できない
- 主体的に生きる
- 自立する
- 感情をコントロールする
- 自分で問題解決できる
具体的に、どういうことなの?
「主体性」とは、「誠実さ」のこと。
主体性の本質は、「誠実さ」
- 主体的に生きるとは
- 誠実に生きること
- 誠実に生きるとは
- スキルではなく、内面を改善すること
- 自分で自分に約束をし、約束を守る力
まず自分自身に対する約束をし、その約束を守らなければならないということなのだ。また、人格よりも個性を優先することは愚かなことであり、自分自身を改善せずにほかの人との関係を改善しようとすることは意味のないことだと教えている。
では、「誠実さ」とは、具体的には何でしょう?
「誠実さ」とは、具体的には「4つの力」
「誠実さ」の中身
- 自覚
- 「今の問題は、何?」
- 自分の考え方・先入観・習慣・傾向を、客観的に見つめる力
- 良心
- 「私の心は、何を求めてる?」
- 自分の心が、古代からの原則的な知恵と調和できているかを、わきまえる力
- 原則中心のパラダイムの土台
- 良心の呵責(かしゃく)は大事
- 想像力
- 「未来の自分は、どんな姿?」
- 自分と他人を、現在の状況を越えて、今よりもよく見る力
- 自由意志
- 「さて、私はどうする?」
- 気分や傾向に流されずに、自分の意志で行動を選択する力
4つの力は、「挑戦に応戦」するときの「武器」である
一人の人間の人生は、常に。
外部からの「刺激」に対する、内部からの「反応」の繰り返し。
かっこよく言えば、「挑戦に応戦」です。
応戦の際の、戦略や武器が「4つの力」。
刺激に対しどう反応するかが、自分という人間を決定する
外の刺激(=環境や出来事や他人)に対し、自分はいったい、どう反応するのか。
「7つの習慣」で言いたいのは、こういうこと。
- 刺激に対し、「よい反応」を選択しましょう
- そのために、「よい習慣」を身につけましょう
- そのために、「4つの力」を身につけましょう
どう反応すればいいの?
「刺激」と「反応」の間で、「4つの力」を発揮する
刺激と反応のあいだには間隔がある。その間隔に、反応を選ぶ私たちの自由と力がある。私たちの反応の中には、成長と幸せがある。
(ヴィクトール・フランクル)
刺激と反応のあいだにある、「自由と力」の中身こそ、4つの力です。
これ(4つの力)により自分の人格の強さがつくり上げられるのである。その人格の強さこそが、質の高い生活を可能にするのだ。
人格は、4つの力で決まる。
- 良心
- 「私の心は、何を求めてる?」
- 心の声に耳を傾け、心の声に従う
- 自分を裏切らない
- 自覚
- 「今の問題は、何?」
- 自分の弱点、伸ばすべき点を意識する
- 問題の本質を把握する
- 想像力
- 「未来の自分は、どんな姿?」
- 特に、「よい面」を想像する
- 自分との約束・目標を設定する
- 自由意志
- 「さて、私はどうする?」
- 自分との約束を守る
- 自分の自由な意志で選択する
1.良心:従うべき原則(心の声)
パラダイムの土台となる、最も重要なもの
- 古代からの原則的な知恵と、自分の心の知恵とが、調和できている心
- 原則中心のパラダイムの土台となる、最も重要なもの
良心に従うためのステップ
- 「〇〇したほうがいい」という、自分の心の声に素直になる
- 自分の心の声と、世間体とを区別する
- 人がどう思うかより、自分の心に従って行動する
良心こそ、私たちが従うべき「原則」。
もっとも重要なところですが。
一番、難しくもある。
なぜなら。
「良心」の中身については、詳しくは言及されていないから。
抽象的で、ちょっとわかりづらい。
けれども。
私たちはすでに、良心の中身を知っているというのです。
「良心の呵責(かしゃく)」は、偉大な教師
「罪悪感」を抱いたり。
「こんな自分が嫌いだ」と思ったときほどチャンス。
「良心にそむいた」から苦しいんですよね。
私たちは、自分を裏切ったことが、一番の心の痛みになるんです。
だから。
痛みや傷を負ったときこそ、自分の良心を自覚できるとき。
ただし、「社会の良心」は捨てるべし
多くの人が感じている罪悪感のほとんどは「社会の良心」から生まれたものである。「社会の良心」は何も教えてくれない。それは私たちの進歩を妨げるものだ。自分の罪悪感をより深く調べれば自分を解放することができる。周囲の意見や世の中の風潮から生じた罪悪感は忘れることである。しかし反対に、良心から生じた呵責の気持ちとはきちんと向き合い、償うべきところは償うことである。どんな償いをしなければならなくとも、罪悪感を感じながら行き続けることから比べれば楽なものである。
ここは、とっても重要なところです。
自分の心からの良心と、社会の良心(=常識)を区別しなければなりません。
- 自分の良心の呵責
- 偉大な教師
- 本物の罪悪感
- 深く見つめると、自分を解放できる
- きちんと向き合い、償うべきことは償う
- 社会の良心
- 何も教えてくれない
- 進歩を妨げる
- 社会の良心から生じた罪悪感は一刻も早く忘れるべし
ほとんどの場合は、「社会の良心」からの罪悪感だというのです。
ということは。
あなたの抱いている罪悪感、ただのゴミかもしれません。
捨ててもいいものだったのです。
従うべきは、常に。
自分の心の声
自分の心からしか、学ぶことはできないのです。
「心の声に従わない」と、どうなるか?
「その場限りの満足感」を得る生活になり、「反射的な生き方」を繰り返します。
- 他人との比較・競争を繰り返す
- 目の前のことに忙殺される
- 承認欲求でしかない
- 忙しさのなかで、安心を得ようとする
「自分の心の声に従う」と、どうなるか?
他人との比較、すなわち、私のほうが外見がよい、私のほうがたくさんお金を持っている、私のほうが良い仕事をしている、私は誰よりも一所懸命に働いている、などという思いから安心感を得ようとは思わなくなる。
また反対に、他人より外見が悪くても、お金を持っていなくても、名声を得ていなくても、それによって不安になることもなくなる。そのようなことは関係なくなってくるのだ。
大事なことは、世間体よりも、「自分の心の声」。
そのことが本当にわかれば、外部の刺激には振り回されなくなるんですね。
そして、自分にとっての重要事項を優先できるようになる、といいます。
そんなこと(反射的な生き方)をしなくても彼らは深い満足を得て、その日のうちで最も重要なことを行なったという確信に満ちた心境で床につく。
彼らは「深い心の安らぎ」を体感し、「質の高い生活」を実践しているのだ。
良心がなければ、ポジティブ思考も意味がない
長きにわたる研究の結果、ポジティブ思考や創造力開発をしても、良心が伴わなければ、安らぎや長期にわたる生活の安定・向上は得られないということが確認されている。
「ポジティブ思考は効果がない」という意見を聞いたことはありませんか。
要するに。
「良心がなければ意味がない」ということだったんです。
泥棒をしたとしたら、ポジティブに考えても意味はないですよね。
むやみに、表面的な部分だけで「ポジティブでいこう」という言葉が飛びかっている現状があります。
内面を養わないと、たとえポジティブでも安らぎは得られない。
ここは、注意したいところ。
「7つの習慣」はどこまでも、表面的な「個性主義」の反対にある、内面的な「人格主義」なのです。
私は良心に従って生きていこう。
今から私は、周囲の声や世相、先入観、自分の行動を正当化する声に惑わされないことだ。
たとえ、どんな結果になろうとも、私は良心に従って生きよう。
- 昔からある啓蒙書を読む
- 自分の経験を客観的に見る
- 他人の経験を観察する
- 心を静めて、心の声に耳を傾ける
- 心の声に従う
2.自覚:自己客観視
- 自分の考え方・先入観・習慣・傾向を、客観的に見つめる力
- パラダイムを自覚すること
- 自己客観視により、必要なら自分を変えることができる
- 自分の言動が、周囲にどう影響しているかを意識できる
- 自分の価値観と、世間体とを区別できる
- 周囲の反応やフィードバックから学ぶことができる
自己客観視は、「メタ認知」ともいいます。
メタ認知とは、「第三者の立場から眺める能力」。
自分の思考や感情を、他人目線で、冷静に見つめることです。
「課題の分離」をする
「7つの習慣」では、「影響の輪」「関心の輪」という言い方をします。
アドラー心理学でいうところの「課題の分離」。
- 「自分の課題」と「他者の課題」を分離する
- 自分は「自分の課題」だけに集中する
- 「他者の課題」は放っておく
課題の分離をするために、「自覚」の力を使うのです。
次のことを問いかけてみましょう。
- 私は本当にそれがしたいのだろうか
- そのためのリスクをとる勇気があるだろうか
- 実行するための十分な力を持っているだろうか
- 成長に対する責任は、とれるだろうか
- 今、何をするのが正しいことなのだろうか
- 私は人生に何を求めているのだろうか
- 今、最も重要なことは何だろうか
- 能力も発揮せずに、平凡なままで満足していないだろうか
- 目標を達成できないことを他人のせいにしていないだろうか
- 今の時間を裁量に使うこととは、一体何をすることなのか
- この行動は、「私の課題」なのだろうか
- この行動は、「他者の課題」ではないだろうか
- この行動以外に第三案はあるだろうか
- この行動にはどの原則が応用できるだろうか
- どうすればその原則を最もうまく応用できるだろうか
もしあなたが自滅的な行動をやめられず、その原因も分からなければ、それをよく分析・調査し、思いあたることを書き出してみるといい。もしあなたが両親からひどい行為を受け、心の中で「自分が親になっても、決してこんなことはしない」と思っていたり、あるいは逆に、自分の親と同じようなことをしているのなら、それを書き出してほしい。そうすることによって、自分の行動意識を自覚することができ、賢明な行動を選択できるようになる。
- 自分の思いを書き出し、分析する
- 自分の行動を、客観的に文字にしてみる
3.想像力:今よりもよく見る
自分と他人を、現在の状況を越えて、今よりもよく見る力
「想像」が「妄想」と違うのは、今よりも「よく見る」という点です。
「よい未来」の想像でなければ、「想像力」ではなく、「被害妄想」でしかないからです。
想像力とは、想像することによって苦難を乗り越える力
自分の将来を予測する最良の方法とは、自分で自分の将来を創り出すことである。
想像力を使えば、目標を実現した自分をイメージすることもできるし、また、自分の生活を向上させるための計画も立てられるのだ。
(7つの習慣)
- 前もって計画する
- 自分の現状に左右されず、将来のことを想像する
- 自分の目標を再確認し、達成した自分の姿を想像する
- 問題に直面した時、人の意見を求め、創造的な解決策を見出す
- 思いやりをもって人と接している姿を想像する
4.自由意志:約束を守る
- 気分や傾向に流されずに、自分の意志で行動を選択する力
- 行動させられるのではなく、自ら行動を起こす力
強い自由意志を持つには目的意識(「なぜそれを行なうのか」)を自分で分かっていなければならない。ここでいう目的意識とは、心の中で燃えている「イエス」のことであり、「重要度」の低いことに対して「ノー」と言わせてくれるものである。
自由意志で行動する
- 自分や他人への約束を守る
- 流れに逆らってでも、心の声に従って行動する
- 有意義な目標を設定し、確実に達成する
- 気分や感情に左右されず、決意を守る
- 目的意識を明確にする
- 自分との約束を守る(信頼残高を作る)
- 「そうだ、だけど」と言いたくなったら、「そうだ、だから」に変える
まとめ:4つの力を日々養う
- 自分を客観視するための問いかけを日々、おこなう
- 啓蒙書を読みつつ、自分の心の声に耳を傾ける
- 自分の理想の姿を想像しながら、人と接する
- 約束を作り、約束を守る
心の声を聞くときには、次の3つがポイント。
- 志を持って尋ねる
- 言い訳をせずに聴く
- 勇気を持って行動する
何かを決断するときには常に、このプロセスを考えたうえで目標を設定し、実行してみましょう。
原則中心の行動を取るときは、必ず心の声に従うことから始めることをおすすめしたい。約束をしたら守ることである。目標を設定したら達成することである。そこに安らぎがある。
反応柔軟性(サーチ・インサイド・ユアセルフ)
行動を起こす前に間(ま)を置く能力
「サーチ・インサイド・ユアセルフ」という本では、「反応柔軟性」という言葉で説明されています。
ただちに反応する(たとえば、むかつくドライバーにブーイングを浴びせる)かわりに、一瞬だけ間を置く。するとそのあいだに、その情動に満ちた状況でどう反応したいか選ぶことができる。
(サーチ・インサイド・ユアセルフ)
深呼吸をする方法も、一般的によく言われます。
深呼吸をしたり、間を置いたりするなかで、4つの力を発揮することです。
普段から、意識して訓練していきたい能力です。
まとめ
7つの習慣の、4~6番目の習慣は、「相互依存」。
そして、相互依存のためにも「4つの力」は欠かせません。
- 良心
- 「私の心は、何を求めてる?」
- 古代からの原則的な知恵と、自分の心の知恵との、調和の力
- 自覚
- 「今の問題は、何?」
- 自分の考え方・先入観・習慣・傾向を、客観的に見つめる力
- 想像力
- 「未来の自分は、どんな姿?」
- 自分と他人を、現在の状況を越えて、今よりもよく見る力
- 自由意志
- 「さて、私はどうする?」
- 気分や傾向に流されずに、自分の意志で行動を選択する力
7つの習慣は、ちょっと難しい。
最近、ハヤリの、「早くて簡単、誰でもできる」という内容ではありません。
良心を養うとは。
昔であれば、親兄弟や地域社会、宗教などが果たしていた役割。
武士や職人の世界であれば、師匠の教えを守ることが、一番大事な習慣。
でも今は、誰の言葉を信じていいのか、サッパリわからない時代ですね。
教えを仰ぐべく師匠や組織が、皆無といっても過言ではありません。
そんななか、私たちは何を指標にして生きていけばいいのか。
その参考になるのが、「7つの習慣」です。
軽い自己啓発本は、たいてい、「7つの習慣」を薄く引き伸ばしていて、オリジナリティは、ほぼありません。
だから、きちんと学びたい場合は、「7つの習慣」がオススメ。
特に。
「良心・自覚・想像力・自由意志」の4つの力は、毎日、考えてみると、心の糧になります。
4つの力が育てば、鬼に金棒ですね。
4つの力を養うために、日々、自分に問いかけてみよう。
- 私は本当にそれがしたいのだろうか
- そのためのリスクをとる勇気があるだろうか
- 実行するための十分な力を持っているだろうか
- 成長に対する責任は、とれるだろうか
- 今、何をするのが正しいことなのだろうか
- 私は人生に何を求めているのだろうか
- 今、最も重要なことは何だろうか
- 能力も発揮せずに、平凡なままで満足していないだろうか
- 目標を達成できないことを他人のせいにしていないだろうか
- 今の時間を裁量に使うこととは、一体何をすることなのか
- この行動は、「私の課題」なのだろうか
- この行動は、「他者の課題」ではないだろうか
- この行動以外に第三案はあるだろうか
- この行動にはどの原則が応用できるだろうか
- どうすればその原則を最もうまく応用できるだろうか
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