「嫌われる勇気」は難しい。とりあえず9つのポイントだけ抑えてみましょう。
結論を言うと。
「嫌われる勇気」をもって積極的に人間関係を築き、人間関係の中で幸せを感じるため。
「人間関係は必要ない」ってことではなかったのが、初めて読んだときの衝撃でした。
むしろ。
人は、人間関係の中でしか幸せを感じない
それが、アドラーの主張。
けれども。
なんども読んでいるうちに、「自分に対する思い」も、「他者に対する思い」も、少しずつ変わってくることを実感します。
何より、「あきらめちゃいけない」と思い出させてもらえる。
やはり「嫌われる勇気」は必要ですね。
まずは、9つのポイントを抑えてみてください。
【これだけ抑えておこう】
人間関係につまずいたときに、読んでみることをオススメします。
1.人生のタスク
3つの人間関係から逃げてはいけない
- 仕事
- 家庭
- 友人
もちろん、パワハラやモラハラなどからは逃げるべきです。
そうではなく、「なんとなく人と付き合いたくない」という言い訳で、逃げてはいけないということ。
なぜならば。
本当は、「人間関係の中で幸せを感じたい」と望んでいるはずだから。
アドラーによる、幸せと不幸の定義
- 幸せ:自分を好きになること
- 「私は誰かの役に立っている」という思い
- 「私には価値がある」という思い
- 不幸:自分を好きになれないこと
- 「私は役立たずだ」という思い
- 「私には価値がない」という思い
つまり。
私たちは、「誰かの役に立っている自分」にこそ、価値を感じるし。
「価値ある自分」が好きなんです。
逆にいえば。
「誰の役にも立ってない」と思うときに、不幸や苦しみを感じます。
人間にとって最大の不幸は、自分を好きになれないことです。この現実に対して、アドラーはきわめてシンプルな回答を用意しました。すなわち、「わたしは共同体にとって有益である」「わたしは誰かの役に立っている」という思いだけが、自らに価値があることを実感させてくれるのだと。
(「嫌われる勇気」)
「自分が嫌い」という気持ちのなかには、「どうせ役立たずな自分だ」という”スネ・ひがみ・あきらめ”がある。
自分が一番、それは嘘だと気づいているはず。
嘘をつかずに、自分の課題に立ち向かう勇気
わたしのなすべきことは、自らの人生に嘘をつくことなく、自らの課題に立ち向かうことなのだ
(by 嫌われる勇気)
言い訳は、すべて自分への嘘。
本当は、他人と幸せな関係を築きたいはず。
だからこそ、まずは何よりも、「自己受容」。
2.自己受容
自己肯定よりも自己受容がいい
こんなこと、ありませんか?
- 自己犠牲のように感じてしまう
- 人に尽くせば尽くすほど、疲れ果ててしまう
- 「もうできない」と思ってしまう
疲れてしまう原因は、自分を受け入れてないから。
自己受容とは?
- ありのままの自分を受け入れる
- 「自分にできること」と「自分にはできないこと」を見極める
「いつわりのポジティブ」に苦しむ必要もないんです。
無理に自分を肯定するよりも、「これは自分にはできない」と受け入れたうえで、「できること」に集中すればいいんですよね。
「できもしないのに、できる」と無理する自己肯定ではなく。
できないことは率直に認める。
3.課題の分離
他人の期待に応えなくていい
「ここから先は自分の課題ではない」という境界線を知りましょう。そして他者の課題は切り捨てる。それが人生の荷物を軽くし、人生をシンプルなものにする第一歩です。
(by 嫌われる勇気)
いろんな人の課題を、背負い込んでいませんか?
- 親に申し訳ない
- パートナーの気持ちがわからない
- 会社に迷惑がかかる
- 上司に怒られてツラい
- 自分がこんなことをしたら、あの人が悲しむ
そういう気持ちはすべて、「他人の課題」に踏み込んでいる証拠。
切り捨ててしまっていいんです。
だって、本人の問題だから。
「他人の課題を切り捨てる」と思うと、薄情で冷淡なように感じますよね。
「いい人」のフリをして、「見返り」を求めているだけ
好意に応えているというより、見返りに縛られているだけです。相手がどんな働きかけをしてこようとも、自分のやるべきことを決めるのは自分なのです。
(by 嫌われる勇気)
親孝行でさえも、したくなければ、しなくていい。
「やりたくないのにやってる」と、どうしたって、「こんなにやってるのに」という気持ちになっていきます。
すると、相手を信頼することもできなくなりますよね。
だからこそ。
自分のやることは、自分の本音で、自分で決める。
4.他者信頼
他者が味方になるから信頼できる
ありのままの自分を受け入れ、「自分にできること」と「自分にはできないこと」を見極めることさえできれば、裏切りが他者の課題であることも理解できるし、他者信頼に踏み込むこともむずかしくなくなるでしょう。
(by 嫌われる勇気)
- 自分を受け入れ、
- 「できること」「できないこと」を見極め、
- 「自分の課題」と「他者の課題」を切り離せば、
- 他者を信頼することができるようになる
たとえ嫌われたとしても、それは自分の課題ではないんです。
相手の課題だから。
自分のやるべきことは、「相手を信頼しよう」と思うこと。
あるいは、「この人とは無理だ、離れよう」と決めること。
それしかないんですよね。
「自分のことを好きになるべきだ」「これだけ尽くしているのだから、好きにならないのはおかしい」と考えるのも、相手の課題に介入した見返り的な発想です。
(by 嫌われる勇気)
「課題の分離」と「他者信頼」を思い出さなきゃ。
なぜ、「見返り」はいらないかというと、「貢献できてるかどうか」は、自分で決めていいものだからです。
5.他者貢献
「自分は役に立っている」と自分で決めていい
他者貢献とは、「わたし」を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ「わたし」の価値を実感するためにこそ、なされるものなのです。
(by 嫌われる勇気)
なんとなく、「自分を犠牲にしなければならない」というイメージを抱いてしまいますよね。
そんなときこそ、「幸せの定義」を思い出してみましょう。
アドラーによる、幸せと不幸の定義
- 幸せ:自分を好きになること
- 「私は誰かの役に立っている」という思い
- 「私には価値がある」という思い
- 不幸:自分を好きになれないこと
- 「私は役立たずだ」という思い
- 「私には価値がない」という思い
「貢献」とは、「自分を好きになるために」するもの。
「役に立っている自分」に価値を感じるからこそ、そんな自分をますます好きになる。
ますます自己受容ができる。
大丈夫。
「貢献できている」ことは、自分で決めてしまっていいのです。
貢献は主観でいい
「わたしは誰かの役に立っている」という主観的な感覚があれば、すなわち貢献感があれば、それでいい。それ以上の根拠を求める必要はない。貢献感のなかに、幸せを見出そう。
(by 幸せになる勇気)
決めればいいだけですから。
これは、有り難いですよね。
6.共同体感覚
周りの人は「仲間」であって「敵」ではない
他者を仲間だとみなし、そこに「自分の居場所がある」と感じられることを、共同体感覚といいます。
(嫌われる勇気)
アドラーの掲げる人生目標には、2つあります。
- 行動面の目標
- 自立すること
- 社会と調和して暮らせること
- 心理面の目標
- わたしには能力がある、という意識
- 人々はわたしの仲間である、という意識
「行動と心」、2つを変えていくことが目標。
特に、周囲の人を「仲間」だと思うこと。
それを、「共同体感覚」と呼んでいます。
どうしてあなたが他者を「敵」だとみなし、「仲間」だと思えないのか。それは、勇気をくじかれたあなたが「人生のタスク」から逃げているせいです。
(嫌われる勇気)
人は誰もが、どこかで挫折しているものです。
- 自分を受け入れてもらえなかった
- いじめられた
- 笑われた
- 好きな人にフラれた
そんな経験が、無意識のなかに残っていて、勇気が出なくなってしまったんですね。
周囲を仲間だと思うためには、それしかないんですね。
7.承認欲求の否定
「わたしの価値」は自分で決めていい
「人と違うこと」に価値を置くのではなく、「わたしであること」に価値を置くのです。それがほんとうの個性というものです。「わたしであること」を認めず、他者と自分を引き比べ、その「違い」ばかり際立たせようとするのは、他者を欺(あざむ)き、自分に嘘をつく生き方に他なりません。
(幸せになる勇気)
貢献と同じく、「承認」も、自分で承認してしまえばいいんですね。
誰かからの評価で生きていくのは、極端に言えば「奴隷」のようなもの。
たしかに、他人に決められても納得はできないかもしれない。
私たちは、承認欲求を持ちつつも、実は、「他人からの評価で決められたこと」では満足できないのも事実。
8.トラウマの否定
過去の意味は、自分で決めていい
われわれは過去の経験に「どのような意味を与えるか」によって、自らの生を決定している。人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分なのです。
(by 嫌われる勇気)
トラウマは、たしかにありますよね。
でも、その出来事を「トラウマ」だと決めたのは、やはり自分。
だから、新たな意味を生み出してしまえばいいのです。
コツは、過去に向かうのではなく、未来へ向かうこと。
未来へ進みやすくするために、過去のストーリーを変えてしまってもいいんです。
どうせなら「幸せな偏見」を作り上げてしまえば、いいですよ。
- 自分は、貢献できている
- 自分には、価値がある
- 過去の出来事は、すべて意味があった
ぜんぶ自分で決めて、主観で進めばいい。
9.「今・ここ」に集中する
人生は「線」ではなく、「点」でしかない
過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。「いま、ここ」を真剣に生きていたら、そんな言葉など出てこない。
(中略)
過去も見ないし、未来も見ない。完結した刹那を、ダンスするように生きるのです。誰かと競争する必要もなく、目的地もいりません。踊っていれば、どこかにたどり着くでしょう。
(嫌われる勇気)
ここを受け入れるには、「嫌われる勇気」と同じくらい、けっこうな勇気がいります。
人生は、「線」ではなく「点」だというのです。
ストーリーなんて、ないのだ、と。
小学生の頃に、「アリとキリギリス」の話を叩き込まれたせいか、無意識のうちに「将来に備える」という感覚ができているように思います。
自分を受け入れ、他者と向き合い、「今」に集中する。
これが、アドラー哲学です。
まとめ
- 人生のタスク
- 1:仕事、2:家庭、3:友人
- 逃げてはいけない
- 自己受容
- まずは自分を受け入れてから努力する
- 自己受容しないと、自己犠牲になるから
- 課題の分離
- 私は私、他人は他人
- 踏み込まないし、踏み込ませない
- 他者信頼
- 課題の分離ができれば信頼できる
- 他者が味方になる
- 他者貢献
- 味方だから貢献したくなる
- 敵には貢献しない
- 共同体感覚
- 所属欲求は、人間の本能
- 本能に従ったほうが幸せを感じる
- 承認欲求の否定
- 自分で自分を承認する
- 他者からの評価には左右されない
- トラウマの否定
- 原因は過去にはない
- 未来の目的に生きる
- 「今・ここ」に集中
- 幸せになりたければ「今を生きる」こと
アドラーの掲げる人生目標
- 行動面の目標
- 自立すること
- 社会と調和して暮らせること
- 心理面の目標
- わたしには能力がある、という意識
- 人々はわたしの仲間である、という意識
貢献感のなかに、幸せを見出そう。貢献感のなかに、喜びを見出そう。
われわれは仕事の関係を通じて、自分が誰かの役に立っていることを実感するでしょう。われわれは交友の関係を通じて、自分が誰かの役に立っていることを実感するでしょう。だとすれば、幸せはそこにあるのです。
(幸せになる勇気)
「嫌われる勇気」は、難しいですが、ことあるごとに思い出すと、やっぱりそうだなと思えてきます。
いちど読んだからといって身につくわけではなく、なんども読み返して、なんども思い出すことがオススメですよ。
[…] る感じがする!』ということ。他人目線ではなく、あくまで自分がそう感じられることが重要なのです。(『ひらたブログ』様にわかりやすく記載されてました。クリックでページへGO) […]