自分への裏切りと自己正当化。それが「箱」に入る理由。この本を読んで、それが理解できました。
「箱」の中は、自分しか見えていない世界。他者の意見を聞かず、意固地になり、自分に執着する。
「箱」の外に出なければ、何も変わらないのです。
そのために、自分への裏切りと自己正当化を認識してみよう。
自分の小さな「箱」から脱出する方法
by アービンジャー・インスティチュート
なぜ、「箱」に入るのか?
実は、自分への裏切りが、「箱」に入るきっかけなのだそうです。
自分の本音にウソをつくことで、自分を閉じ込めてしまうと。
他者への裏切りではなく、自分への裏切りだという話には驚きました。
結局のところ、相手は関係ないってこと?
言われてみればそうかもしれない。
わかりやすい例で考えれば、好きなのに「嫌い」と言ってしまうとき。
いちど「嫌い」と言ってしまったら、引っこみがつかなくなってしまい、だんだんと相手のせいにしてしまうことがあります。
相手が自分をそうさせたのだ、と。
それが自己正当化ですね。
本当は「好き」と言いたいのに、それが言えなくて傷ついてしまった。
そして、他人のせいにすることで正当化しようとする。
「だって…」という言葉が出てくる背景には、自分への裏切りがあるのです。
「好き」という自分の素直な気持ちに、自分が裏切ってしまったということ。
正当化するのは、自分を裏切っているから。傷ついているから。
素直になれてないってことです。
どこで自分の本音にウソをついてしまったのか?と、見つめてみるチャンスですね。
とても新しい発想でした。
他者を裏切っているわけじゃない。自分を裏切っている。
相手を責めるよりも、自分の本音を探ってみようということですよね。
私も父親に対して、「だって私は必要ないんでしょ?」と思っていました。
結果的に素直になれない自分に、自分が傷つきました。
本音に気づくってなかなか難しいです。
「箱」から出てしまえばラクになれるとわかっているのに…。
どうしたら、出られるのでしょう?
抵抗をやめると、外へ出られる
「だって…」と自己正当化をするのは、「箱」の外に対して抵抗しているからです。
抵抗し、自分を守ろうとするからこそ、ますます箱を頑丈にしてしまう。
だから、抵抗をやめたほうがいいそうです。
相手に逆らうのをやめた瞬間に、箱の外に出ることができる。自分を正当化しようという考えや感情から解き放たれるんだ。だから、箱から出る方法は、常にわたしたちの目の前にあるということになる。だって、自分が抵抗している相手は目の前にいるんだからね。
相手への抵抗をやめる。
ただ、好きな人へは素直になったほうがいいってわかるけど、嫌いな人に対しては、すごく難しい!
でも、抵抗をやめないと「箱」の外には出られない。
「箱」の中にいるときの重要なテーマは、自己正当化。
自己正当化するためには、相手は悪者でなければならない。
だから、「箱」の中にいると、自分も変わらないし相手も変わらない。変わってほしくないと願っているのです。
悪循環におちいるのも納得ですね。
相手がいい人になってしまったら、自分は正当化することができなくなってしまうからです。
「箱」の外には出たくないと思ってしまう。
でも、それでは、いつまでたっても視野の狭い自分のまま。
自分をいたわってあげてもいいのでは?
この本には、「抵抗をやめる」としか書いてありませんでしたが、私は、自分に優しくしてあげたらいいのでは?と思いました。
自分の本音にウソをついて、自分を裏切り、自己正当化を繰り返すってことは、かなり自分自身が傷ついている状態です。
ものすごく傷ついている。
だから、いたわってあげたほうがいいのではないかなぁと。
「だって…」という言葉が出てきたら、「あぁ自分は傷ついているんだな」と思い、自分の本音と向き合ってみる。
自分を裏切ることしかできなかった自分を、優しく抱きしめてみる。
好きで「箱」に入ったわけではないはずです。
その証拠として、たくさん傷ついてますから。
実は、「箱」の外に出てしまったほうが、自分を守れる
「箱」の外に出るというのは、自分に素直になること。
自分に素直に行動するから、正当化する必要もなくなる。
当然のことながら、心はギスギスしなくなります。
「犯人探し」をしなくてもいいからです。
自分の精神状態を守るためには、外に出ちゃったほうがよっぽど効果的ですよね。
そのことさえ理解できれば、「箱」の外に出ることがラクになるかもしれません。
その思い込みさえ消えれば、出ることができます。
「風の谷のナウシカ」のキツネリスを思い出しました。名前はテト。
最初はナウシカに噛みついていたけれど、怖くないことがわかったら抵抗をやめて、ナウシカと一緒に行動するようになりました。
やっぱり、怖くないことがわかるってことが「箱」の外に出るポイントです。
相手のために「箱」の外に出るのではなく、自分が自分に素直になるために出ればいいのです。
すごく自由になるはず。
安全なことを、脳にどう知らせるか?
そこが自分との戦いですね。
ということで。
「だって…」が出てきたら、自分に優しくしてみよう。
そして、外は安全であることに気づこう。
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