幼い頃に受けたトラウマや心の傷は、なかなか癒えない。
何もやる気になれない
わたしたちの誰もが
人生の中で痛みを感じる状況を経験するの
それを『心の傷』って呼ぶのよ
それを無視するといつまでも治らない
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
これは、ある少年の実話。
アル中の父。ウツ病の母。学校ではイジメにあう。
おまけに、貧乏で何も買えない。
絶望していた少年が、スタンフォードの脳外科医にまでなる話。
痛みを乗り越える方法
1.まずは手当てをする
見ないフリは、ポジティブ思考とは違う
僕は、誰にも邪魔されないからラッキーだってふりをしていた。宿題をしろとも、朝起きて学校に行けとも、何を着なさいとも言われない。でも、僕は自分に嘘をついていただけだ。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
家に誰もいないことに対して、ポジティブに考えようとしていたけど、それは嘘だったとのこと。
見ないふりをしていても、傷口から血が出ているのかもしれません。
- 消毒する
- 傷口の毒を取り去る
- 絆創膏を貼る
- 新たな傷が入らないようにする
- ひどい場合には病院に行く
- 誰かに助けを求める
でも、考えると落ち込んじゃう。
2.頭の中のラジオに気づく
ラジオのDJは、自分ではない
「頭の中のDJが何かにつけて一日中ひっきりなしにしゃべり続けてると想像してみて。心のラジオにあまりにも慣れすぎて、それがずっと大音量で流れっぱなしになってることにさえ気がつかないの」
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
頭の中にうずまいている声は、ラジオのようなもの。
- 頭の中で、ラジオのDJがしゃべり続けている
- DJの声は、あなたの声ではない
- 両親 or 世間の誰かの声
- 一日中、ラジオがオンになっている
- 大音量で流れているから、集中できないのは当たり前
- DJは、出来事に対して、いい・悪いを決めつける
- DJの声に、心がいちいち反応してしまう
大事なことは。
ラジオのDJは、自分ではない
という点。
だから。
まずは、ラジオのスイッチをオフにする。
どうしたらオフにできるんだ?
この本でのオススメの方法は3つ。
2.「呼吸、ろうそく、マントラ」で、ラジオの声を消す
- 深呼吸して、呼吸に意識を向ける
- ろうそくの炎を見つめる
- 焚き火の代わりに、ろうそくでも十分
- マントラ(言葉)を唱える
- 「自分を肯定する言葉」など
- 今の体験に「ただ注意を向ける」
- 評価や判断をしないこと
- 評価:いいか悪いかをジャッジすること
- 判断:どういう意味か、自分の考えをまとめること
意図的に繰り返すと、脳は確実に変わる
僕は家でマントラを練習した。一度に何時間もやることもあった。いまではそれがなぜだかわかる。とにかく信じられないほど心が落ち着いた。繰り返すこと。意図的にやること。これが脳を変える確実な方法だ。ルースが教えてくれた呼吸法をやりながら、ろうそくの炎を見たり、ゆっくりとマントラを唱えたりしていると、ものごとが変わりはじめた。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
マインドフルネスとは、脳を鍛えることだったのです。
本当に変わるの?
「神経可塑性(しんけいかそせい)」によって、元の状態には戻らなくなる
神経可塑性は脳が本来備えた機能の一部だということが科学的に認められている。脳を鍛えれば集中力や注意力が増し、頭の中の声に邪魔されずに明快で賢い判断ができるのだ。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
新しいことを学習したときに、脳の中に新たな神経ネットワークができること
リハビリと同じで、ある程度の訓練をして定着してしまえば、元の状態には戻らなくなるそうです。
「可塑性」の反対は、「弾性」
たとえば「ゴム」は、引っ張ると元の場所に戻りますね。
それが、「弾性(だんせい)」というもの。
「弾性」の逆が「可塑性」
引っ張っても、元には戻らない性質。
え? いつもすぐに戻っちゃうんだけど。
可塑性があるから、習慣化できる
何かを考えたいとき。
大音量の音楽が流れている場所と、静かな場所では、静かな場所のほうが考えやすいはず。
だから。
ラジオの音さえ消えれば、集中力は増す
大事なことは。
習慣になるまで何度も繰り返すこと
私たちには可塑性があるから、習慣化できるといいます。
静かになれたとして、次はどうしたらいい?
4.自分の扱い方を、自分で決める
何を受けいれ、何を受けいれないか
「人はみんな、人生で何を受けいれるかを自分で選んでいるの。
(中略)
自分をどう扱うかを決めているのは自分なのよ。何を受けいれるか? 受けいれないか? 選ばなくちゃならないし、自分のために立ち上がらなくちゃならない。それができるのは自分しかないの」
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
子どもの頃は、親に従わなければならなかったけれど。
大人になったら、すべて自分で決めていい。
自分で決めるものは、仕事や結婚だけではなく。
いちばん大事なのは。
「自分を、どう扱うか」
特にオススメの、自分の扱い方10選
- 私には価値がある
- 私は愛されている
- 私は大切にされている
- 私は他人を大切にする
- 自分のためにいいことだけを選ぶ
- 他人のためにいいことだけを選ぶ
- 私は自分が大好きだ
- 他人が大好きだ
- 私は心を開く
- 私の心は開かれている
つまり。
自分をイジメてくる人は、受けいれなくてもいいし。
愛してくれない人も、受けいれなくていい。
そうはいっても、傷がついたこと自体がつらいんだけど。
5.傷を負ったときは、「心が開くとき」と決める
心に傷を負ったときこそ、心が開くものよ
心の傷がいちばんの成長のチャンスになるの
困難は魔法の贈り物なのよ
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
「ダメな自分だから、傷ついてしまう」ではなくて。
「心が開くときなんだ」と決める。
心を開かないマインドフルネスは、ただの自己陶酔
(マインドフルネスは)内面へと旅するための素晴らしいテクニックだ。それは集中力を上げ、意思決定のスピードを上げてくれるが、知恵と洞察、つまり心を開くことが伴わなければ自己陶酔とナルシシズムと孤立につながりかねない。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
マインドフルネスや瞑想は、流行していますが。
やはり、それだけでは意味がないといいます。
「心が落ち着いた」だけで終わるなら、ただの自己陶酔
「心を開く」って何?
心を開く目的とは
自分の痛みに寄り添うと、他人ともつながれる
本当に心を開くと、痛みへの反応が実際に変わる。僕は痛みから逃げる必要がなくなった。痛みに寄り添った。
痛みに寄り添うことで、自分自身とつながり、本当の意味で他者とつながることができた。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
痛みに寄り添うとは、自分自身に対して心を開くこと。
すると、他者とつながることができる。
つまり。
- 自分に素直になるから、他者にも素直になれる
- 自分とつながるから、他者ともつながれる
要するに。
痛みの最終地点は、心が「他者に開かれる」こと
そこが、「ナルシシズム」や「孤立」と違うところ。
結局は他人なの?
心を開かないと、本当に欲しいものは得られない
あのとき、ルースの言葉をもっとちゃんと聞いておくべきだった。他人にも、世界にも、心を大きく開いて、それに従うことを、12歳のときに身に付けておけばよかった。そうしていたら、どれだけの痛みを経験せずにすんだだろう?
(中略)
頭には強い力があるけれど、まず心を開かなければ、本当に欲しいものを手に入れることはできない。
痛みから学ぶ者だけが、痛みを贈り物として受け取れる。でも、必要のない痛みや苦しみを自分や他人に与えれば、人生を分かち合う人たちに誠実でも公正でもなくなってしまう。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
人生に絶望していた12歳の少年は、ルースという女性に出会ったことで、悩みを克服し、脳外科医にまでなりました。
叶えたいことはすべて、叶えた。
一時期は傲慢になって、贅沢な生活をしていたそうです。
でも。
いちばん大事な教え=「心を開く」を実践しなかったため、結局はすべてを失ってしまいます。
離婚して家族を失い、友人も失い、築いた財産も失った。
いい夫にも、いい父親にも、いい医師にも、なれなかった。
再びドン底に落ちたとき、最重要の「心を開く」を思い出したそうです。
人生とは、つながりの旅
僕たちはつながりの旅の途中にいる。それはこの地上で他者に心を開き、全員が兄弟姉妹であることに気づく旅だ。ひとつの共感の行いに気づけば、それが次の共感の行いにつながり、地球全体に広がっていく。最後には、人がどれだけ深く愛し合うか、お互いを大切にし合うかが、この星と人類の生き残りを左右することになる。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
アドラー心理学でも、最終的な目的は、他人との「共同体感覚」だといわれます。
「7つの習慣」でも、最終的な目的地は、「相互依存」。
つまり。
他人と豊かな関係を築くこと。
それができないから困ってる。
心を開く3つのレッスン
1.相手を対等な存在として見る
誰しも自分と同じように、いいところも悪いところもあることを認め、お互いを等しい存在として見ることができたとき、人は本当につながり合える。人の心を開き、お互いを無条件に気にかけさせるのは、この人間性のつながりだ。他者を自分と同じ存在として見ることだ。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
- 心を開くと
- 「なんなんだ、アイツ」というイラだちが、
- 「自分と同じ人間だ」という心に変わる
「あいつがムカつく」って気持ちは、変わらないよ。
嫌いな相手に共感できなかったとしても。
対等な存在だと見ることは、できるかもしれません。
2.無条件の愛をイメージする
- 無条件の愛とは
- あやまちも欠点も受けいれる愛
- 一度でも見返りを求めなかったことがあれば、それは無条件の愛
- ただし、痛みと傷もある
- 誰もが、完ぺきではないから
- 無条件の愛を受けいれる
- ときに苦しみ、間違いを犯すような、欠点だらけの不完全な自分であっても、
- 大切にされ、守られ、愛される感覚
- その愛が、自分にどんな影響を与えたかを考えてみる
- 無条件の愛を送る
- 相手への贈り物
- 相手の幸福な人生を願い、苦しみが少ないことを願う
- 相手を心の中で抱きしめる
- 相手の未来を見る
- 相手の幸福を見る
- あたたかい感覚にひたる
- 相手の反応は気にしない
- 誰もが失敗し、間違った道を選び、ときに他人を傷つけることがあったとしても、愛されることを求めていいし、愛されるに値する存在である
愛をくれた人がいるとは、思えないけど。
3.誰かを思い浮かべながら、やってみる
- 無条件の愛を与えてくれた人を思い浮かべる
- かつて一度でも、見返りを求めず与えてくれたことがあれば、それは無条件の愛
- 満ちたりた感覚にひたりながら、ゆっくりと呼吸をする
- 大切な人を想い、無条件の愛を送る
- 相手は、大切にされ守られているという気持ちになる
- 無条件に愛され、受けいれられたときの感じをもう一度思い出す
- 知り合いのひとりを思い浮かべ、無条件の愛を送る
- 相手の幸福な人生を願い、心の中で抱きしめる
- 仲の悪い人や、嫌いな人を思い浮かべる
- 人の行動は痛みの表れだと理解する
- 自分に置き換えて考えてみる
- 欠点だらけの不完全な存在として見る
- 無条件の愛を、仲の悪い人や嫌いな人にも送る
- 出会うすべての人を、自分と同じように欠点のある不完全な存在として見る
- 誰もが愛されることを求めている
- 誰もが愛されるに値する存在
- 気持ちを込めて、無条件の愛を送る
- 心の中で、彼らを受けいれる
まとめ
- 心の傷は、無視しない
- 早めに治療する
- 頭の中のラジオを消す
- 集中力と注意力が戻ってくる
- 自分の扱い方を、自分で決める
- 自分には価値がある
- 無条件の愛を受け取る・送る
- 無条件の愛は、完ぺきではない
- 自分とつながれば、他者ともつながれる
ラジオを消す方法3つ
- 深呼吸して、呼吸に意識を向ける
- ろうそくの炎を見つめる
- 焚き火の代わりに、ろうそくでも十分
- マントラ(言葉)を唱える
自分の扱い方10選
- 私には価値がある
- 私は愛されている
- 私は大切にされている
- 私は他人を大切にする
- 自分のためにいいことだけを選ぶ
- 他人のためにいいことだけを選ぶ
- 私は自分が大好きだ
- 他人が大好きだ
- 私は心を開く
- 私の心は開かれている
自分の痛みと向き合ったら、無条件の愛をイメージしてみる
- 無条件の愛とは
- あやまちも欠点も受けいれる愛
- 一度でも見返りを求めなかったことがあれば、それは無条件の愛
- ただし、痛みと傷もある
- 誰もが、完ぺきではないから
- 無条件の愛を受けいれる
- ときに苦しみ、間違いを犯すような、欠点だらけの不完全な自分であっても、
- 大切にされ、守られ、愛される感覚
- その愛が、自分にどんな影響を与えたかを考えてみる
- 無条件の愛を送る
- 相手への贈り物
- 相手の幸福な人生を願い、苦しみが少ないことを願う
- 相手を心の中で抱きしめる
- 相手の未来を見る
- 相手の幸福を見る
- あたたかい感覚にひたる
- 相手の反応は気にしない
- 誰もが失敗し、間違った道を選び、ときに他人を傷つけることがあったとしても、愛されることを求めていいし、愛されるに値する存在である
具体的な誰かを思い浮かべて、無条件の愛を考えてみる
- 無条件の愛を与えてくれた人を思い浮かべる
- かつて一度でも、見返りを求めず与えてくれたことがあれば、それは無条件の愛
- 満ちたりた感覚にひたりながら、ゆっくりと呼吸をする
- 大切な人を想い、無条件の愛を送る
- 相手は、大切にされ守られているという気持ちになる
- 無条件に愛され、受けいれられたときの感じをもう一度思い出す
- 知り合いのひとりを思い浮かべ、無条件の愛を送る
- 相手の幸福な人生を願い、心の中で抱きしめる
- 仲の悪い人や、嫌いな人を思い浮かべる
- 人の行動は痛みの表れだと理解する
- 自分に置き換えて考えてみる
- 欠点だらけの不完全な存在として見る
- 無条件の愛を、仲の悪い人や嫌いな人にも送る
- 出会うすべての人を、自分と同じように欠点のある不完全な存在として見る
- 誰もが愛されることを求めている
- 誰もが愛されるに値する存在
- 気持ちを込めて、無条件の愛を送る
- 心の中で、彼らを受けいれる
僕は貧乏を自分のアイデンティティだと思い込み、そのアイデンティティにとらわれているあいだは、どんなに富を積み上げても、いつも貧困から抜け出せなかった。毎日訓練を続けるうちに、僕は父と母に心を開き、彼らをゆるすことを学んだ。かつての幼い自分に心を開き、共感を見つけた。自分の犯したすべての過ちと、自分の価値を世界に証明しようとした愚かさに心を開き、謙虚さを得た。そうするうちで、飢えていたのは世界中で自分だけではなかったことを知った。怯えていたのも僕だけではなかった。寂しさや孤独を抱え、人と違っていると感じていたのも僕だけではなかった。僕は心を開き、自分の心が出会うほかのすべての心とつながる力があることを知った。
スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック
「証明しようとする」っていうのは、よくある。
だけど、自分だけじゃないのかも。