自己肯定よりも自己受容【自分を受け入れるには】アドラー心理学

嫌われる勇気

「自己受容」とは、自分をありのままに受け入れること。

「いい」「悪い」の評価をせず、ただ受け入れる。

それは、「自己肯定」とは少し違います。

 

アドラー心理学といえば、「嫌われる勇気」ですが。

なぜ、「嫌われる勇気」に「自己受容」が必要なのかといえば。

 

他者と関わるには、「自分を受け入れていること」が必須条件だから。

 

「自分を受け入れてない」人が、嫌われることを怖がるのです。

 

自己受容って何なんだ?

 

それは、次のことを明確にすること。

  1. できるし、やりたい
  2. できないけど、やりたい 
  3. できるけど、やりたくない 
  4. できないし、やりたくない 

 

さて、どういうことでしょうか?

4つの分類の意味することとは?

 

 

嫌われる勇気

 

「嫌われる勇気」by 岸見 一郎,古賀 史健

自己受容:受け入れ、行動すること

自己肯定は現状にとどまり、自己受容は未来へ向かう

60 点の自分に「今回はたまたま運が悪かっただけで、ほんとうの自分は100点なんだ」と言い聞かせるのが自己肯定です。それに対し、 60 点の自分をそのまま 60 点として受け入れた上で「100点に近づくにはどうしたらいいか」を考えるのが自己受容になります。

 

自己肯定とは
  • 「私はできる」「私は強い」と、暗示をかける
  • 本当の自分は100点なんだと言い聞かせる
  • 「今の自分で大丈夫」→現状維持

 

自己受容とは
  • 「できない」自分を受け入れる
  • 60点の自分を認め、100点に近づくにはどうするかを考える
  • 「ここから、どうする?」→未来へ向かう

 

「自己肯定」は悪いことなのか?

比べてみると、自己肯定のイメージが悪すぎますね。

 

たしかに。

「自己肯定」という言葉を使って逃げてるだけでは? 

と、感じてしまうことはあります。

 

成長しないための言い訳ではないか? と。

 

言葉のイメージを勘違いしているだけでは?

きっと、「自己肯定」という言葉のイメージからくるものなのでしょう。

どこか「能天気主義」のような、何もせずに、ただ肯定するだけという感じがしてしまうから。

アドラーは、そこを指摘しているのだと思います。

 

「肯定」も「受容」も、結局は同じ

辞書の意味を見てみます。

  • 肯定:そのとおりであると認めること
  • 受容:受け入れて、とりこむこと

 

同じ意味に聞こえますよね?

「自己肯定」も「自己受容」も、最終的には同じ。

要は、「現状維持とは違うよ」ってことさえ自覚していれば、どっちの言葉でもいいのです。

ただ、言葉の影響が大きいのは事実。

人は、言葉のイメージで判断してしまうものなので。

 

自分の心に響く言葉を使おう

言葉そのものよりも、その言葉の「意味」を理解し、実践できるか?

……っていうほうが大事なので。

「自己肯定」が「現状維持」のように思えてしまうのならば、「自己受容」を使ったほうがいいですね。

未来へ向かって努力できるなら、「肯定」でも「受容」でも構いません。

結果のほうが大事だから。

 

「できないのに、できる」のではなく、「できないものは、できない」

 

できないことを認める

それぞ「自己受容」。

「できること」と「できないこと」を見きわめる

ありのままの自分を受け入れ、「自分にできること」と「自分にはできないこと」を見極めることさえできれば、裏切りが他者の課題であることも理解できるし、他者信頼に踏み込むこともむずかしくなくなるでしょう。

 

「できる」「できない」を見きわめることが超重要ポイントになります。

 

  • できることを、頑張る
  • できないことは、人にまかせる or できるように努力する

 

「自分にできること」は、精一杯やる。

「自分にできないこと」については、まかせるか、努力するかの二者択一。

 

「できる」「できない」でムダに悩まないことです。

 

次の一歩を選んでいるか?

  • これくらい、できるし!  → ならば素直にやる
  • できない自分が情けない! → 依頼するか、努力するか

 

「では、どうする?」と考えれば、冷静になりますよね。

だから、自己受容できているかどうかの判断は……

 

次の行動を冷静に考えているかどうか

 

「肯定」や「受容」といっても、それだけで安心するのではありません。

行動の選択ができていることが、「自己受容」なのです。

 

考えるときには、4つに分類してみると理解しやすくなります。

「できる・できない」「やりたい・やりたくない」で分類する

自己受容

 

  1. できるし、やりたい
    • すでに愛! 理由は考えずに無心でやろう
  2. できないけど、やりたい
    • 努力・挑戦あるのみ!
  3. できるけど、やりたくない
    • 誰かに、きちんとお願いしよう!
  4. できないし、やりたくない
    • そもそも視野にないから問題外!

 

1.「できる」&「やりたい」なら、それは愛! 理由はいらない

できるし、やりたいことなら、何も考えずにできますよね。

それはもう「愛」です。

 

「何のために、やっているんだろう?」とか。

「これをして、どうなるのだろう?」とか、迷う必要はありません。

 

理由なんて考えずに、無心にやればいい。

 

愛することに理由はない

岸見一郎さんの他の著書「愛とためらいの哲学」には、「愛」について、次のように書いてあります。

 

  • 恋愛に「なぜ」はない
  • 人を愛することに、理由も打算もない
  • 愛そうとする決心が、すべて
  • 大切なのは、愛されることより愛すること

 

これは恋愛に限らず、すべてのことに言えると思いませんか?

 

「なぜ?」と深ぼることは大事なことなのですが……

「愛」であるなら、「なぜ」はいらない!

 

考える時間がムダですよね。

 

・やりたいなら、やる

・愛そうと決めたから、やる

 

それだけで進めるなら、一番いいことです。

「愛」なのですから。

 

2.「できない」&「やりたい」なら、努力あるのみ!

「できない」のは、ツライ。

けれど「やりたい」。

ならばもう、どれだけ苦しくても前進するしかありません。

 

途中で投げ出さないほうがいいですよね。

いわゆる「目標設定」というのは、この領域を考えるべきです。

 

できないけどやりたいなら、目標にしよう

 

3.「できる」&「やりたくない」なら、誰かにお願いしよう

ここが、日本人の苦手な領域ではないでしょうか?

 

・断りたいのに、断れない

・誰かにやってほしいのに、頼めない

 

「ノー」と言えないし、頼ることもできない。

仕事を抱えすぎてパンクしてしまう人は、この領域に手を出してますよね。

 

「できる」からこそ、難しいところ。

「やりたくない」と言うのが、ワガママなのではないかと考え込んでしまうのです。

けれども、断固として行動に移さなければなりません。

 

この領域でのアクションは、「断る」「頼る」です。

「やりたくないのに……」とグチを言うのではなく、行動を選びましょう。

 

できるけどやりたくないなら、勇気を出して意思表示をするんだ

 

4.「できない」&「やりたくない」なら、スルーする

この領域は、視野に入れる必要もないですね。

たとえば。

今さら、オリンピック選手になりたいとも思わないし、できない。

だから、「なぜ自分はオリンピック選手になれないのだろう」と悩むこともありませんよね。

 

完全スルーの領域です。

 

「無理だと思うから無理なんだ」と言われてもスルーする

よく言われますよね。

「無理だと思うから無理なんだ」とか。

「不可能を可能にするんだ」とか。

 

けれども。

そもそも「やりたくない」ことであるならば、何を言われても、やらなければいい。

自分で判断するしかありません。

 

私も、この領域でのことを、ずいぶんと言われ、悩んでしまったことがたくさんありました。

でも、今思うと、本当にムダだったと感じます。

悩むヒマもなく、スルーすべきなのです。

やりたいことは、ここにはないのですから。

 

このように、4つに分類してみると、だいぶスッキリしますね。

選択も行動も、しやすくなるのではないでしょうか。

では、「できる」「できない」を見きわめられるようになると、どうなるのでしょう?

「裏切り」は他者の課題だとわかり、「他者信頼」しやすくなる

「できる・できない」を見きわめ、行動の選択ができるようになると……

  • 裏切りは他者の課題、自分の課題ではないとわかる
  • 他者信頼へと踏み込める

 

課題の分離ができるようになる

課題の分離」とは、「自分の課題」と「他者の課題」を分離すること。

それが、人間関係の基本です。

 

  • 「他者の課題」で、悩まない。
    • 他者の課題には、介入「できない」
  • 「自分の課題」を、人のせいにしない
    • 自分の課題は、自分で解決「できる」

 

当たり前のようですが。

気づくと、他者の課題で悩んでいたり。

人のせいにしていたりって、あるんですよね。

意外と難しいのです。

 

でも。

「できる・できない」をしっかり見きわめれば、課題の分離が上手になる。

 

なぜなら……

他者の課題には、介入「できない」から

 

たとえ裏切られることがあっても、それは「他者の課題」だから、トラウマにはならないそうです。

「できる・できない」を見きわめれば、いいのです。

 

裏切られても、自分の課題ではない = 自分のせいではない

人を信じたくないのは、傷つきたくないからですよね。

傷つくのを怖がるのは、かつて誰かに裏切られたからですよね。

また裏切られると思うから、怖いし、信じたくない。

 

だけど。

裏切るなら、裏切る人が悪いのです。

それは、裏切った人の課題。

相手の課題には、介入「できない」。

 

なぜなら、相手の気持ちや行動をコントロールすることは、「できない」ことだからです。

 

自分の課題ではない = 私のせいではない

だから、「自分のどこが悪かったのか」と悩む必要がないわけです。

 

何が起きても自分のせいではないのなら、「信じることは怖くないかも?」という気がしてきませんか?

課題の分離さえできれば、何も怖くないのです。

「恐怖心」が少し、軽減するのではないでしょうか。

 

できる・できないの見きわめ = 自己受容

課題の分離をするためには、「できる・できない」の見きわめが大事。

 

  • 自分が介入できることか、できないことか。
  • 自分で解決できるのか、できないのか。

 

見きわめれば、次の行動が選べますよね。

「できる・できない」の見きわめこそ、「自己受容」です。

「できる自分」「できない自分」を受け入れるのですから。

 

自己受容は、すべての「水源」である

自己受容(できる・できないの見きわめ)

課題の分離

他者信頼

 

自己受容って、まるで「水源」のよう。

自己受容から、すべてが流れていく。

大いなる源です。

流れを逆にしようとしても、きっと無理ですね。

 

「できる・できない」の見きわめが明確にできれば、あとは自然と流れていきます。

自然と流れるのなら、人を信じる勇気も、持てそうではありませんか?

 

7つの習慣」でも、「まず自立→次に相互依存」

この順序、理解できたでしょうか。

 

POINT

「できない」のに「できる」フリをると、「自己犠牲」になるから要注意!

自己犠牲は、愛ではない。

まとめ

4つの分類を明確にすることが、自己受容

自己受容

 

明確にすべき4点

  1. できるし、やりたい
    • すでに愛! 理由は考えずに無心でやろう
  2. できないけど、やりたい
    • 努力・挑戦あるのみ!
  3. できるけど、やりたくない
    • 誰かに、きちんとお願いしよう!
  4. できないし、やりたくない
    • そもそも視野にないから問題外!

 

この4つが明確になれば、「課題の分離」ができるようになり、「他者信頼」も怖くなくなる!

 

なぜならば……

  • 「できない自分」を受け入れることができる
  • 「できるようになるための努力」をすることができる
  • 「やりたくないこと」は、断れるし頼める

 

これがスッキリとできるようになれば、「他者の課題」と「自分の課題」を切り離せるし、人を信頼することも怖くなくなりますよね。

 

「他者の課題」と「自分の課題」を切り離すことを、課題の分離といいます。

それが、次の話

 

「自己受容」は、人間関係の水源だったのだ!

 

ということで。

 

memo
自己受容 → 課題の分離 → 他者信頼

これは、踏むべきステップというよりも、「流れ」。

自己受容できれば、自然に流れていく。

そのためにも、「できる・できない」、「やりたい・やりたくない」を明確にしよう!

 

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