「メモの魔力」と「ゼロ秒思考」の使い分け。
「メモの魔力」と「ゼロ秒思考」は、どちらもメモをとる方法と効果を教えてくれる本です。
2冊の違いについて、あくまでも個人的な感想をまとめます。
- メモの魔力
- なぜ、メモが大事なの?
- メモすると、どうなるの?
- メモするモチベーションがわかない
- ゼロ秒思考
- どんなふうにメモすればいいの?
- 具体的なやり方は?
- 著者に直接、聞きたい
つまり。
- メモの魔力で、モチベーションを作る
- ゼロ秒思考で、ノウハウを知る
特に、ゼロ秒思考の著者・赤羽雄二さんは、聞けば何でも教えてくれるので、やり方をつかむまでにはとっても助かります。
「メモの魔力」で学んだこと3つ
魔力1.抽象化の重要性を教えてくれる唯一の本
メモの魔力で学んだ一番のことは、何といってもこれ。
抽象化
この本を読むまで、「抽象」は悪いものと思ってた
私は今までに、こんなセリフを言ったり聞いたりしてきました。
- 抽象的すぎて、わからない。
- もっと具体的に言って。
- 具体性がなさすぎる。
「抽象的」って、とっても悪いもの。
すべて具体的にしなければならない。
ずっとそう思ってきました。
それを教えてくれたのが、「メモの魔力」。
「事実(ファクト)」に対して、「つまり何?」と考える
「抽象化」というと難しく感じますが。
簡単に言うと、こう。
- この事実を見て、何を読み取る?
- つまり何?
- 要約すると何?
- ひとことで言うと何?
- 今、なぜ心が動いたの?
こんなことを、丁寧に考えていく。
それが「抽象化」です。
もっと詳しく知りたければ、「具体と抽象」という本がオススメ。
ただ、「抽象化が大事」だとも思ってないのに、突然この本を手に取ろうなんて思わないですよね。
私も、「メモの魔力」を読んだあとに、「抽象って何?」と気になったので読みました。
そういう意味もで、「抽象化の重要性」を教えてくれた唯一の本は、「メモの魔力」です。
まずは「事実(ファクト)」を記録する
データ収集。事実の記録。
この重要性は、わかると思います。
- 仕事なら
- 今月の売上はいくらだったのか
- どんな失敗をしてしまったのか
- プライベートなら
- 今日は何をしたのか
- 何が起きたせいで、ストレスを感じているのか
ただ、「事実を記録して終わり」に、なりがち。
「で? どうする?」
「だから何?」
次のアクションを考えるためには、「抽象化」。
具体の中から自分でルールを見つけ、また別の具体にそのルールを適用し、独自の視点でどんどん新しい発見や発明、知的創造を行っていってほしい(発明者的思考プロセス)のです。
(by メモの魔力)
特にこれからの時代は、事実を集めたり、記憶したりすることはコンピュータにまかせて、私たち人間は、創造性を発揮しなければならない。
「知的創造」のためのメモが必要なのです。
なお、事実を記録したあと、それをどう解決したらいいのか?
そんなときは、読書猿さんの「問題解決大全」がオススメです。
魔力2.話し方が上手になる:構造化能力
「構造化」という言葉も、わかるようで、わからない。
「メモの魔力」を読めば、イメージがつきやすくなります。
- 全体を把握し、構成要素を明らかにする
- 要素と要素の関係を、わかりやすく整理する
つまり、話をわかりやすくまとめる力が、構造化能力
もう少しわかりやすくすると、こう。
- A=B
- AはBと同じ
- Aという事実は、Bという事実に似ている
- A→B
- Aが起きたから、Bになった
- Aは、Bに変化する
AとBという要素を見抜き、その関係性を見る。
それが全体像を見ること(=構造化)。
その場で情報を構造化し、その情報が入るべき「フォルダ」を明確にしてあげることで、話し手の頭がクリアになり、話はさらに深まります。
(by メモの魔力)
魔力3.情報を素通りしない:丁寧に考える力
意識に「なぜ」を向け、言葉にする作業こそが、僕らの抽象化能力・言語化能力を引きあげます。「なぜ面白いのか」をきちんと言語に落とし込んで、人に伝える作業をすれば相当な力がつきます。
すべてに、「なぜ」を考える。
不安だなと思ったら、「なぜ、不安なの?」
ふと広告に目が止まったら、「なぜ今、目が止まったの?」
コンビニでお菓子を買うときも、「なぜ、これなの?」
小さなことから、すべて。
すると、「素通りグセ」を減らしていくことができますよね。
僕らは、頭で思っている以上に、怖いくらいに情報を「素通り」しています。
(中略)
「世の中でうまくいっているもの」や、「自分が素直にいいと感じるもの」を見たときに、素通りせずに、キャッチして抽象化してみてください。「なぜかわかんないけど、このお店すごく居心地良かったな」という感想で大体終わるわけですが、その本質的要素をいくつか書き出して、抽象化しておく。すると、例えば今度は、居心地の良い別のコミュニティを自分が作る際にうまく応用できるのです。
(by メモの魔力)
結論:メモの魔力はモチベーションを上げてくれる
- 「つまり何?」と考えるようになる(抽象化)
- コミュニケーション下手が克服できる(構造化)
- 素通りグセを減らせる(応用)
こんな成果が、メモをとることで得られるんです。
メモをとる癖がない人は、実は、毎日「宝」をみすみす落とし続けてしまっているようなものだと僕は思っています。日常のふとした瞬間にこそ、宝が眠っているのですから、それに気づけて拾い上げられる強力なアンテナを持つべきです。
(by メモの魔力)
こう言われたら、モチベーションがアップしてきます。
「ゼロ秒思考」で学んだこと3つ
「メモの魔力」でモチベーションが上がったら、具体的なやり方は、「ゼロ秒思考」で学ぶ。
「メモの魔力」よりも、シンプル・簡単・早くできるので、オススメです。
ゼロ秒1.何も考えずにパッと書く力
「ゼロ秒」という名のとおり、パッと書きます。
「パッと浮かんだ言葉こそが大事」だそうで。
おかげで、パッパッパッと書いていく力が身についてきました。
すると。
「ああでもない・こうでもない」と混乱するクセを減らすことができるのです。
ゼロ秒2.「論理的」という言葉を意識しない力
「『論理的』という言葉は忘れなさい」ということも、何度も教えてもらいました。
パッと書いていくだけで、自然と「論理的」になれるそうです。
おかげで、「論理アレルギー」から抜け出すことができました。
ゼロ秒3.多面的な視点を持つ訓練
「多面的に考える」ことも、たくさん訓練させられます。
たとえば、「自信がない」と思ったとき
- いつも自信がないわけじゃない
- じゃあ、自信があったときは、どんなときだったっけ?
- 他人からは、どう見えているんだろう?
- 相手の立場に立つと、どうだろう?
「ひとつだけ」を見るのではなく、いろんな視点から見てみる。
そんな習慣が大事。
とはいえ、とっても難しいんですけどね。
もっと知りたいときは、「知的複眼思考」がオススメです。
「書物」は本当に、「知的財産」。
「読まなきゃ損」です。
なお、マコなり社長も、方法としては「メモの魔力」よりも、「ゼロ秒思考」のほうがオススメと言われていました。
こちらの記事も、参考にしてみてください。
マコなり社長も認める、「ゼロ秒思考」のメモ書きの効果超重要:成果に焦りすぎない
たくさんの効果がある「メモ」ですが、続けるうえでもっとも大事なこと。
決して成果に焦らない
ムダだと思って、あきらめないでほしいです。
「いくつになっても、『ずっとやりたかったこと』をやりなさい」という本でも、「メモ」を書く習慣を推奨しつつ、次のように述べられています。
私は「ただ書きつづけなさい」とアドバイスする。「書きつづけていれば、ブレイクスルーが起こるでしょう」と。
「本当ですか? 何にも起こりません」と、私の目から見ると、光の速度で変化している生徒から言われることがある。往々にして、創造性の回復は目に見えない。というのも、予期せぬ方向に私たちを変えるからだ。
(by いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい)
「自分の変化」は目に見えないので、自分ではなかなか実感できないんですよね。
でも必ず、成長しているはずなんです。
まとめ
メモの魔力で学べること
- 抽象化の重要性
- 構造化能力の重要性(話し方改善)
- 情報の「素通りグセ」の解消
ゼロ秒思考で学べること
- パッと書く力
- 「論理」が自然に身につくこと
- 多面的な視点
生きていくうえで大事な力は、誰も教えてくれません。
本を読みながら、自分なりに深めてみることをオススメします。