「なんとなく、うまくいかない」
そう感じるときは、具体的な問題点を発見しましょう。
問題解決よりも、問題を発見する能力のほうが大事。
そもそも、問題が何かがわからなければ、解決もできません。
問題を知ることは、「自分を知る」ことにも通じます。
自分が今、何を悩んでいるのかを知るのです。
前田裕二さんは、「メモの魔力」でこう書いています。
『自分をよく知って何かに熱中している人』こそ、多くの共感を集める人になる、すなわち価値を持つのだと強く思います
日々の小さなことから、常に、自分自身に問いを投げかけてみよう。
問い方のパターンは3つ。
- What:課題は何? それは何? つまり何?
- Why:なぜ、そうなの?
- How:では、どうする?
What①:「課題は何?」課題発見&設定
解くべき課題の明確化
たとえば、本を読むときや、スキルや知識を身につけるとき。
または遊ぶときや、何かのイベントに出かけるとき。
「何のために学ぶのか?」
「何のために行くのか?」
「何のためにやるのか?」
目的を考えてから行なうことは、どれだけあるでしょう?
「自分がわからない」のは、目的が明確になっていない場合がほとんど。
一つ一つの行動に、まずは目的を考えてみるクセをつけてみましょう。
何かをするとき。
どこかへ行くとき。
誰かに会うとき。
ふと立ち止まって、いったん考えてみる。
それは、「課題」を発見する訓練。
- 解決すべき課題は、何?
- 学びたいことは、何?
- やりたいことは、何?
- 本当の望みは、何?
- 目指していることは、何?
- 人生のテーマは、何?
人生は、自分の中のWhatを明確にしていく過程。
課題を見つけ、課題を解決し、成長していく。
すべては「課題を見つけること」から始まりますね。
課題を見つけた人が、結果を出せる人。
だからこそ、毎日の生活の中で、Whatを丁寧に考えよう。
小さなことの積み重ねが、大きな発見につながります。
解きたくてたまらない具体的な課題が自分の中にないと、特に抽象化するモチベーションはあまり湧かないでしょう。そういった意味で、この、「解くべき課題の明確化」は、抽象化の前段階において、ビジネスパーソンがまず向き合わねばならない問題かもしれません。(メモの魔力)
What②:「それは何?」情報整理&仮説力
「常に3つ」で情報整理力
どんなことからも「3つのポイント」を抜き出す
- 読書したら、何が書いてあったか。→3つ。
- 講座や習い事で、何を学んだか。→3つ。
- 遊びや体験は、どうだったか。→3つ。
「今日の What」を3つ、整理する
- 今日の学びは何か。→3つ
- 今日の喜びや感動は何か。→3つ
「常に3つ」を考えると、仮説が浮かぶ
情報を整理すると何がいいかというと、仮説が浮かんでくること。
- 自分ならこうするかな?
- ならば、次はこうしようかな?
What③:「つまり何?」シンプルに要約する
20字でまとめよう
「ゼロ秒思考」の著者・赤羽雄二さんは、こう言ってます。
「自分の感情を、単語ではなく20字くらいで書くようにすると思考力が高まる」
「紙1枚!独学法 すべての知識を『20字』でまとめる」の著者・浅田すぐるさんは、こう言ってます。
「シンプルにまとめると、本質がつかめるようになる」
「つまり何?」と、ひとこと(20字)で書くようにすると……
考え方がシンプルになり、ムダが排除でき、本質がつかめる。
要約力が高まり、思考力や仮説力も高まる。
そして、「20字でまとめる」過程で、かなり頭を使うので、確実に脳へインストールされます。
Why:「それは、なぜ?」納得するまで深堀り
思考とは、問いに答えようとするプロセス
- 当たり前のことに疑問を投げかける
- 自分自身に疑問を投げかける
「問いに答えようとするプロセス」こそが、思考!
答えを出すことが重要なのではありません。
「答えようとする作業」を脳にかけるのです。
すべてのことに、必ず理由を語る
- なぜそう思うか
「必ず理由を語る」こと。
それが「哲学」。
いま当たり前にやってること、なぜ、やってるの?
「〇〇だから〇〇できない」とか。
「〇〇だから、自分は大丈夫だ」とか。
本当なのか?
なぜなのか?
とにかく「なぜ」をつけてみる
- なぜ、そう思うのか?
- なぜ、そうだと言えるのか?
- なぜ、それが課題なのか?
すべてのことに、「なぜ」を加えるだけ。
それだけで、問いになり、脳は答えを探すようになります。
そして何度も何度も、「なぜ」「なぜ」「なぜ」と繰り返す。
「なるほど、そうか」というところに行き着くまで。
単純な言葉で終わらせない。
心からの「なるほど」が出てくるまで、「なぜ?」と問いかけてみましょう。
「人それぞれ」はNG!
- 自分の言葉で理由を挙げて話す
- “人それぞれ”はナシ
- 分からないことはちゃんと『分からない』と言う
ついつい、言いたくなってしまいますよね。
「人それぞれだし」
「正解はないし」
「自分には、わからないし」
でもそれは、思考しないための言い訳です!
「自分はどう思うか」を考えるプロセスが、思考。
自分の言葉で理由を語る。
そうしないと、「考える力」は育ちません。
How:「では、どうする?」次のアクションを決める
WhatとWhyで、本質までたどりつけたら、次はHow。
- では、自分はどうするか?
- 今日から、どう行動を変えるか?
- どうやって理想を実現するか?
Howがないと、学んだことが行動に変わりません。
自己満足に終わるのは、次のアクションがないからですね。
必ず、Howを考えて、次の行動に変化をつけましょう。
「興味深い」と感じて、世界から自分が切り取った――ファクトをどこかで振り返ってそこからの気づきを「抽象化」する。そして、「アクション」に「転用」する。シンプルですが、メモというフォーマットを通じてこのプロセスを自分の手に、そして脳に染み込ませることが、知的生産性を上げる上で非常に役に立ちます。この魔力をひとたび身につけると、不思議なほど世界が違った場所に見えてくるでしょう。(メモの魔力)
要するに。
- 「つまり何?」とひとことでまとめる
- 「では、どうする?」とHowで考える
- 学びをまとめ、要約し、次の行動を考える。
この繰り返しが知的生産性を上げる。
まとめ
要約ができるようになると、頭の回転が速くなります。
これは私自身、大きく実感します。
以前、字幕翻訳の仕事をしていたことがあったのですが。
字幕は、どんなに長いセリフでも、1行13字でまとめなければなりません。
とりとめのないセリフも、13字ずつで区切って表現するのです。
かなり、しんどい作業でした。
特にバラエティ番組はツライです。
短くまとめたうえに、面白さも伝わらなければならないから。
あまりのツラさに字幕の仕事は辞めてしまいましたが、とてもいい訓練になりました。
自然と、すべてを短くまとめるクセがついたのです。
何かを学んだり、体験したりしたら、必ず、「つまり何?」と20字で、自分の言葉でまとめる。
一度習慣化すると、やらないほうが気持ち悪くなってきます。
ということで。
自己理解が深まると思考力が高まり、何ごとにもチャレンジできるようになる。
191110