とにかく無我夢中で仕事をし、今日まで走り続けてきました。
そんな私は今、75歳。「あっ」というまですよ、みなさま。
(2013年出版の「おちゃめな老後」より)
イラストレーターの田村セツコさん。
昔、「おちゃめなふたご」という児童小説の挿絵を描いてた方です。
私も子どもの頃、この、かわいい表紙が大好きでした。
描いてる本人も、イラストに負けず劣らず、とってもかわいい!
そんな著者の日常が書かれたエッセイ、「おちゃめな老後」。
このエッセイを読んでると、年齢を重ねることがポジティブに思えてきます。
ふんわりしてて本当におちゃめ。
老後の準備に何をするべきか、田村セツコさんに学んでみましょう。
ふんわり身軽に生きる
心に「ふんわりクッション」を
おばあさんになると、ファンタジーの世界に片足を突っ込んでいるので、現実とファンタジーをかき混ぜて、ミックスして楽しめるようになります。だから、苦しいこともふんわり、いい塩梅で受け止められるようになるんです。
ファンタジーの世界に片足を突っ込んでいる
面白い表現ですよね!
年齢を重ねることを楽しんでいる感じです。
そして。
何ごとも、ふんわり受け止める
それを著者は、「ふんわりクッション」と呼んでいます。
強く責められても、「あらまあ、それはそれは」
苦手な人に強く責められても、そんな ❝ふんわりクッション❞ を持っていれば、「あらまあ、それはそれは」なんて心に余裕が生まれて、しめしめです。
「ふんわり」していれば、自分も他人も傷つかない。
硬いと、傷つく。
ハード・コンタクトレンズは、パリンと割れるけれど。
ソフト・コンタクトレンズは、ふにゃっとなるだけ、ですよね。
「ふんわり」こそ、年齢を重ねるメリット!
著者も、若い頃はすぐに傷ついたり、落ち込んだりしたそうです。
年齢を重ねるほどにふんわりしてきた。
それが、年齢を重ねることのメリットだそうです!
どれだけ、ふんわりできるか?
年を追うごとに、どれだけ自分がふんわりできるのか、楽しみですよね。
だけど、逆に、年を重ねるほどに頑固になったり、ヒステリーになったり。
そんな危険もある。
気をつけましょう!
「ふんわりクッション」です。
介護さえ、楽しんじゃう
ベルサイユ宮殿に住むお姫さまだと思う
「お母さん、自分のことをベルサイユ宮殿に住むお姫さまだと思ってみて。あの人たちはなんでも人に任せてやってもらって、『よきにはからえ』って済ましてるのよ」って言ったんです。そしたらニコニコしてご機嫌になりました。
今、老老介護とか、介護疲れとか、社会問題。
大変な時代を生きていると言えます。
けれども……
「おちゃめな老後」を読んでいたら、見方が少し、変わってきました。
問題は、本当に問題なのか?
厳しい見方をしてしまえば、「問題にしているのは自分自身」。
若い頃からの積み上げが、すべて出るのではないでしょうか。
「介護疲れ」で問題を起こしてしまう人は、もともと悪いほうに考えすぎてしまうクセがある人なのかもしれません。
もちろん、軽々しくは言えないことですが。
この著者のように、介護も楽しめちゃう人との違いは何かと考えると、「それまでの自身の生き方」としか思えません。
一番の老後の準備は、「なんでも楽しめる心」を育てること
問題のない時にこそ、「ふんわりな生き方」を心がける。
なんでも楽しめるクセをつけておく。
お金の心配よりも、自分の「心のもち方」を育てるほうが、最優先事項のように思えてきました。
心に、「ふんわりクッション」を持つことですね。
もっと自分をわくわく、ノリノリで応援してあげたい
著者も、母親の介護の間、「自分のオムツ時代の恩返し」だと、冗談をたくさん言ったそうです。
日常をいとおしみ、明るくキラキラした時間にしたい。
年齢を言いわけにせず、もっと自分をわくわく、ノリノリで応援してあげたい。
そんなふうに思うようになりました。
必ず、誰もが、最後の日を迎える。
だからこそ、明るく、かわいく、自分らしく。
そんな心持ちを、介護から学んだそうです。
すごいことですね。
言うセリフを変えてみる
著者の言葉に接してると、心が軽やかになってきます。
「また1つ年をとっちゃう」
そんなセリフは、やめて。
「ファンタジーの世界にまた一歩 進んだ!」
そんなふうに笑って。
ノリノリで!
心に「ふんわりクッション」を持つこと!
イヤな出来事は、脳が喜ぶチャンス
脳を強くするチャンス到来!
困ったときほど脳細胞が働くとか、喜ぶっていうじゃない? だから、すっごく困ったことがあると、
「あー、こんなに困ったことが起きて、さぞかし脳が喜んでいることでしょう、ありがたいわねえ」
なんて思ってみます。よし、脳を強くするチャンス到来! なんて思って。
何があってもニッコリ。
うらむこともしない。
なんと著者は、信じてたマネージャーに収入を横取りされたときでさえ!
気にしなかったそうなんです。
驚きの「ふんわりメンタル」ですね。
カチンとくる態度をとられても、子どもだと思って笑う
ちょっと好きになれない人に出会ったときは、その人の子ども時代の顔を想像してみることにしています。(中略)そうすれば、カチンとくる態度をとられても、にっこり笑って許すことができるんです。「はい、わかりました。いい子ちゃんね」なんて気持ちになるじゃない?
2歳児だと思ってしまえば、いいですね。
どんなにワガママでも、2歳児なら、「かわいい」で済みます。
「ぼけたふりして元気よく」がモットー
皮肉を言われてもほめられたと勘違い⁉ 「え? わかんない」なんてきょとんとして、おばあさんっぽくふるまうのってすごく楽しいじゃない?
生きていることって、まるで一篇のミュージカルみたい。
「ぼけたふりして元気よく」をモットーに、自分という最高の役柄を楽しみたいと思います。
若い頃はできたのに、いろいろと衰えてきて悲しくなることが、あります。
もう、若くないんだ……と思ったりとか。
取り残された気持ちになったりとか。
でも。
皮肉を言われても、わかんないフリ!
ミュージカルみたいに日々を楽しむ!
そう思えたらステキですね。
気分はミュージカル。ファンタジーの世界に生きる
先日、近所のご年配のお二人と、おしゃべりをしました。
お二人は、80歳と90歳。
でも、とても元気。
「若いっていいわよねぇ。私は20歳に戻りたい」
「20歳なんて欲張りねぇ。私は50歳でもいいわ」
90歳の人にしてみれば、50歳でも、40年も若返る。
その会話を聞いてて、一日一日を丁寧に生きないと、もったいないなと感じました。
気分はミュージカルのように。
ふんわり生きる秘訣
何歳になっても、年下の人からも、学ぶ姿勢
「もう60過ぎだから」とか、「今さら年下の同業者に教えてもらうなんて恥ずかしい」とか、私はまるっきり思わなかった。
著者は、61歳のときに、「荒井良二・ぼくの絵本塾」という塾に、通い始めたそうです。
プロなのに!
60代なのに!
それでも、まだまだ学ぶ。
しかも年下の同業者に。
恥ずかしいなんて、思わない。
何歳になっても学べるところ、見習っていこうと思いました。
いくつになっても新しく学ぶ
年齢も経験も重ねると、学ぶどころか、威張っちゃうものです。
自分のやり方にこだわって、新しい方法や、若い人の知恵とか、聞く耳をもてなくなります。
いくつになっても、新しく学べることはたくさんあります。心のアンテナをピカピカに。ピンと来たら、ぜひ飛び込んでみてください。
きっと、想像もしていなかった新しい世界が、あなたを待っています。
自分はプロなんだと硬くなるのではなく、学ぶ謙虚さを持つ。
そんなところも、ふんわりしていくコツですね。
60歳でも70歳でも、学校に通える。
希望が出てきました。
「この年じゃ無理」なんて、臆するのは、やめよう。
ファッションを楽しむ
無難な服ではなく、私らしい服を着る
私はやっぱり、おばあさんになった今だからこそ、本当に私らしいおしゃれをしたい、楽しみたいって思います。誰かにとっての無難な服ではなく、本当に私らしい服、心地よい服。
私は、ある場所で、たまたま、著者を見かけたことがありました。
著者の姿を見て、驚いてしまいました。
なぜなら……
ロリータファッションだったから!
本当に失礼ながらも「その年齢で……?」と思ってしまったんです。
でも、この本を読んで、考え方が一変しました。
服に年齢なんて、あるのか?
なぜ、年齢を理由に、無難な服を着なければならないのでしょう?
もう若くないからと言っては、好きな服も着ない
人目を気にして、好きなこともやらない
それって、誰のための人生なのか?
着たい服を着る
この本を読んで私は、おばあちゃんになってもミニスカートをはこうと思いました。
どうしても気になっちゃうものです。
こんな服はもう、着ちゃダメかなあ、とか。
実際、「その服、もうヤバくない?」と言われることもあります。(そんなに若くないでしょ、と)
だけど、何歳になったって、オシャレを楽しもうと決めたのです。
たくわえておくべき財産とは?
一番の財産は、心と体
財産といえば、丈夫な心と体、そして丈夫な手足。人間の指一本でも同じものを作ろうとしたら何億円かけてもできないとロボット工学の博士が言っていました。すると私たちはすごいお金持ちということになります。
タダほど高いものはない
斎藤一人さんも、言っていました。
1億あげるから、あなたの目をくれと言われても、あげたくないでしょう?
目はタダでもらったもの。
命はタダでもらったもの。
だから、タダが一番高い。
命はお金に替えられない。
それが、「タダほど高いものはない」の本当の意味なんだよ。
だから、私たちはみんな、すごいお金持ちなのです。
感謝は、「生命」に対して
感謝の気持ちを忘れずに。「生命」は偶然の贈り物。まず、一番の感謝は「生命」というものに対して。大切にしなければもったいないって気づきました。
その有り難さに気づいて、感謝できる日々を、送りたいものです。
人生は、自分の好みでいこう
計画を立てるか立てないかも、自分らしさで選ぶ
人生って計画どおりにはいかないことが多いでしょう。だから、きっちりと計画を立てて、そのとおりに人生設計をするのも、ケ・セラ・セラ、「なるようになるさ」で生きていくのも、好みの問題だと思っています。どっちの道でも、自分らしいほうを選べばいいと思うの。
計画を立てるのが好きなら、立てればいい。
「なるようになる」がいいなら、それでいい。
結局は、どっちでもいい。
他人の価値観に踊らされないこと
人の話を聞いたり、本を読んだりすると、○○しなきゃとか、もっと頑張らなきゃとか、つい思ってしまう。
でも、それは、あくまで他人の価値観です。
若い頃は、「若いんだから」って言われるのがイヤだった。
今は、「若くないんだから」って言われるのがイヤになる。
結局は、何歳になっても、何をしていても、自分の考え方が変わらない。
だから、自分でいい。
どんな生き方を選ぶかは、自分の好み。
好きなほうを選ぶ。
それでいいですね。
まとめ
老後の計画は、楽しく、かわいく暮らすこと
老後は、リラックスして、楽しいイメージを持って暮らせばいいですね。すてきなイメージをふくらませて・・・。
だから、最低限の身じまいだけはぼんやり考えているけれど、この先のことは何も決めていません。心配ばかりしていても、それで未来が明るくなるわけじゃない。
ふわふわした生き方、魅力的に思えてきました。
人生、100年時代。
どうすれば、楽しく、かわいく、老いていけるか。
心に抱えた、たくさんの荷物を、バサッと捨ててみる。
身軽になってみては、いかがでしょう。
ということで。
心に「ふんわりクッション」を持つ。
それが、いちばん重要な、老後の準備。
ふんわり身軽に生きてみよう。