人はそもそも自立なんて、できない。
ベクトルの真実を知ると、気持ちが少しラクになってきます。
力は数そのものじゃない。でも、数のように計算できるものだよ。
by 「数学ガールの秘密ノート/ベクトルの真実」
この本を読んで、今まで「数字」に対して、勘違いしていたなぁと感じました。
実は一番身近にあって、一番、自分を助けてくれているもの。
それなのに、「形」はない。
とても不思議で、有り難い存在。
そして、数字に「角度」が生まれると、「ベクトル」になる。
ちょっとだけ、数学が、身近に感じてきます。
ベクトルって何?
向きと大きさがあるものは、ベクトルで表せる。そしてベクトル同士を足すこともできる。
(by 数学ガール ベクトルの真実)
「向き」と「大きさ」がある
ベクトルには……
- 「向き」がある
- 「大きさ」がある
たとえば、人が地面に立っていられるのは。
でも実は。
「下向きの力」だけでは、立っていられない。
ベクトルは複数ある
力が働いているとき、ベクトルは、複数ある場合が多いのです。
では、人が地面に立っているときとは?
下から、「上へ押し返そうとする力」も働いているはず。
全面的に、地球に支えてもらってるんだ。
ベクトルを考えるときは……
働いている力を「すべて」見つける
では、傘を持っていたら?
※適当な図です
でも、傘の「下向き」への力は小さそうですね。
では、バーベルなら?
※矢印は適当です。
「上向き」のベクトルを大きくしないと、持っていられなさそうですね。
ベクトルを考えるときは……
- 「働いている力」を、すべて見つける
-
「どこから・どこへ」向かってるかをハッキリさせる
ベクトルを人生に置き換えてみると?
ここでちょっと、ベクトルを人生に置き換えてみましょう。
私たちは、気を抜くと、ちょっとしたことで落ち込んでしまうことがありますよね。
やはり、自分のベクトルは、下に向いているのだと思います。
でも、落ち込みから立ち直らせてくれるのは、下から押し返してくれる力。
落ち込むときとは、たいてい、こんなとき。
- 後悔
- 未練
- トラウマ
つまり、油断していると、どうしても「過去」へ向かってしまう。
逆に考えてみると、「過去」のほうは、「未来」へと押し返そうとしているのかもしれません。
過去の失敗は、私たちを未来へと押し上げてくれるもの。
そもそも、「データ分析」のときの「データ」とは、過去の姿です。
過去は、未来予測のためにある。
ベクトルの話を読んでたら、今の自分が未来へ向かっているのではなく、過去の自分が未来へと押し上げてくれてるように感じました。
失敗だけではなく。
- 今まで頑張ってきたこと
- 自信が持てたときのこと
- できて、うれしかったこと
過去の事実を掘り起こしてみると、未来へ向かう大きさに変えられるのではないでしょうか。
そんなことを考えていると、数学の世界って、やっぱりスゴいなと思えてきます。
数字にも、「向き」と「大きさ」がある
実は、ベクトルだけではなく、数字にも「向き」と「大きさ」があります。
- 向き
- プラスとマイナスの2方向
- 大きさ
- 「絶対値」= 幅のようなもの
ベクトルにあって、数字にないもの
数はプラスとマイナスの2つの向きしかないけれど、ベクトルのほうは数よりもたくさんの向きがあるね。
(by 数学ガール ベクトルの真実)
「ベクトル」にあって、「数」にないものは……
角度
だから、「いろんな向き」が出てくるんだね。
「角度」があるということは。
サインやコサインの計算ができる。
だからベクトルの計算は、「数」よりもちょっと複雑。
その分、立体的な表現が可能になりますね。
数字を使うときとは?
- 個数を数えたいとき
- 温度を調べたいとき
- 重さを量りたいとき
- 力の大きさを表現したいとき
たとえば、「個数そのもの」「温度そのもの」は、「数字」ではない。
でも、数字で表現すると、わかりやすい。
数字を使えば、計算ができる。
それなのに、「目に見えない数字」が生活を支えている。
数字って、すごいんだな。
数は言葉みたいなものだね。表現するために使うもの。
(by 数学ガール ベクトルの真実)
なんとなーく、「数字」や「ベクトル」に、親しみを感じてきませんか?
自分の勉強として、数学をやる
本屋で数学の本を買って読む。放課後に数式をいじる。それは、自分がやりたいことだから。好きなことだから。自分の勉強って、そういうこと。
(by 数学ガール ベクトルの真実)
たとえば、「この式がこうなるのはどうしてだろう」って疑問に思うこと、あるよね。
そういうときに「まあいいか、時間もないから覚えちゃえ」じゃなくて、もっとじっくり「どうしてだろう、どうしてだろう」と考える。それは数学が好きだから。それに、理由がわからないと気持ちが悪いから。
(by 数学ガール ベクトルの真実)
だから、数式と向き合う。
すると、自分の中で「納得」が生まれるんだな。
自分なりの納得の仕方を見つける
やっぱり自分で考えて考えて考えなくちゃだめかな。自分なりの納得の仕方というのがあるみたいなんだよ。完全なまちがいは「それは違うよ」と先生が教えてくれるかもしれないけど、「そういうことか!」と納得する最後のステップは、必ず自分の中にある。先生の話はきっかけにすぎなくて。
(by 数学ガール ベクトルの真実)
やっぱり勉強は、受け身の姿勢ではできない。
学ぶ目的を見失ったときは、自分の「納得どころ」を見つけるようにするといいですね。
まとめ
- ベクトルの向き
- 角度(いろんな向きがある)
- 数字の向き
- プラスとマイナスの2方向のみ
- ベクトルを考えるときは……
- 「働いている力」を、すべて見つける
- 「どこから・どこへ」向かってるかをハッキリさせる
【勉強をするときのポイント】
- 「先生の話」はきっかけにすぎない
- わからないことを、「どうしてだろう」と考えてみる
- 「自分なりの納得」が見つかると、「好き」が深まる
数学に限りませんね。
自分の中で、「これは何だろう?」と思うポイントが、「自分の好きなこと」なのかもしれません。
「何だろう?」と思ったら、面倒くさがらずに。
考えて考えて、「納得ポイント」を見つけたとき、そこに「自分のやりたいこと」が隠れているのではないでしょうか。
そして、ベクトルの「向き」と「大きさ」の関係。
それを知ると、人はそもそも自立なんて不可能なことが見えてくる。
「誰にも頼らない」と強がってみても、必ず、何かに支えられて生きています。
数学を知ると、気持ちがちょっとラクになってくる。
そんなことを学んだ「数学ガール」でした。


