人は絶対に変われる。
しかも5分で。
信じらんねーと思うけど、オレ、昔は極度の人見知りで。
知らない人と話すなんて、絶対にできなかったね。
顔は赤くなるし、声はどもるし、もう最悪。
相手の顔なんて見れなくてね。
暗い人間だったの。
飲食店で働くとね、最初は、皿洗いとか、下準備とか、厨房での修行になるだろ?
人と話す必要のない仕事だから、オレにとってはラクだったわけ。
でも、あるとき、ついに言われたの。
「お前も、次は接客だ!」って。
焦ったねぇ~
接客なんて、絶対にできないと思ったさ。
先輩に相談したらさ、「演劇を習え」って言われて、劇団を紹介されて。
それで、演劇を習いにいったの。
そのときの稽古がすごかったんだぜ~
女の先輩と2人で、町の中の交差点の端と端に立たされてね。
距離感でいえば、渋谷のスクランブルエッグの対角線の距離くらいだよ。
そんな遠くにいる相手にさ、大声で、「愛の告白をしろ」って。
先に、女の先輩がさ、模範を見せてくれてね。
「◯◯君、大好き~!」って叫ぶの。
恥ずかしいだろ~?
人もたくさんいるんだぜ。
当然、好奇の目で見られんの。
その愛の告白を30分間、やり続けるっていう稽古。
もうね、人見知りのオレには拷問のようだったね。
心臓バクバクいうしさ。
皆が、オレを、バカにしているように思えるしさ。
恐怖心と、恥ずかしさと、妄想とで、もう、すごかった。
でも、しょーがねーから、勇気を出して、やったのよ。
最初の5分間はすんごい、しんどかったの。
でも、5分たったらね、コロッと変わっちゃって。笑
残りの25分は、すごい楽しくてさ。
人の目なんて、気にならなくなっちゃった。
声のトーンを変えてみたり、いろいろ工夫しながら、楽しんじゃったのよ。
そこからだよ。
オレが人に対してオープンになったのは。
人ってね、本当にヤル気を出せば、5分で変われるもんなんだ。
変われないって言ってる人はね、変われないんじゃなくって、変わりたいと思ってないんだよね。
今のままの自分でいいの♪って、どこかで思ってるよ。
あきらめも、あるよね。
そんなに努力してまで、変わる必要もなかったりとかね。
オレの場合は、切実だったからね。
接客やんなきゃいけねーし。
夢もあるし。
ここで変わらなきゃどうする、って。
覚悟を決めたから。
「変わる」ってのはね、覚悟を決めた人間には簡単なことなの。
ぜんぜん難しくない。
ちょろいぜ?
ただし、5分間だけは、死ぬ思いをしたけどね。
そんな思いをしてまでも変わりたいかどうか、だよね。
でもオレ、言い続けるんだ。
「本当に、そのままでいいの?
変わっちゃったほうが面白いぜ~?」って。
それでも、覚悟を決めるヤツなんて、ほとんどいないけどさ。
あきらめたくないんだよね。
オレだって、こんなに変わったんだし。
ちょっと勇気を出せば、誰でも変われるってこと、変わったら面白いってこと、言い続けるよ。
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