なすべきことを、たんたんと。
そうすれば、どんな不運も好運に変えられる。
ただし、注意点もあります!
有名な、「人間万事塞翁が馬」という言葉。
どういう意味なのか、考えてみましょう。
人間万事塞翁が馬
塞翁(さいおう)の馬が逃亡
[不運]
↓
逃げた馬が駿馬を連れて帰郷
[幸運]
↓
息子が落馬して足を骨折
[幸運]
↓
怪我のおかげで息子は兵役免除
[幸運]
つまり、不運が幸運に変わることもあるし、幸運が不運に変わることもある。
人生、何が起きるかわからないってことですね。
だから、一喜一憂せずに、たんたんとこなしていこう、と。
ノーベル賞を受賞した山中伸弥さんの話
人生の48年間、特に後半の20年間くらいを振り返ってみると、本当にこの『万事塞翁が馬』だなと。
本当に大変なこともあるし、うれしいこともある。
でも、大変だと思ったことが実はうれしいことの始まりだったり、ものすごくいいと思ったことが、とんでもないことの始まりだったり。
ということですから、一喜一憂せずに淡々と頑張るということを……わかってもらえたらなと思います。
ノーベル賞の受賞者に言われると、とても信ぴょう性がありますね。
「なる」と「なす」は違う
ただし、一つ注意点。
「なるようになる」という言葉があるけれど、「なる」と、「なす」とは違うのです。
為(な)すべきは人にあり、成(な)るべきは天にあり(杉田 玄白)
つまり。
- なす:自分の努力
- なる:天の報い
身に降りかかった不運が好運に変わる(=なる)のは、「なすべきことをなす」から。
ポジティブ思考や楽観主義とはいっても、のんきに何もしないということではないのです。
「なすべきこと」とは、何か?
では、「なすべきこと」って、なんでしょうか?
それは、「自分が」なすべきこと。
だから、他人に聞いてもわからないもの。
きっと、「他人の」なすべきことを必死でやっているから、なんにもなってない、のかもしれません。
自分のなすべきことをなしていれば、「なるようになる」
なすべきことをなし、なすべからざることをしない(松下幸之助)
自分の望みがあるならば、「なすべきこと」がある
「なすべきこと」とは、他人から文句を言われたり、理不尽なことがあったりしたからといって、簡単に放棄するものではありません。
「なすべき」なのだから、それこそ「義務」なのです
「べき」をやめようとは、よく言いますが。
たぶん、考え方の根本が違うのです。
本当に自分が望むものになりたいのであれば、「なすべきこと」は厳然とあるのであって、それは「苦行」という意味での「べき」とは違うはずです。
この世が辛いとて山奥に逃げ込むは臆病である。
この世が汚しといって遁(のが)れんとするは、自ら弱きことを自白するものである。
いかに他人より誤解されようが、またいかに自分の気に入らぬことが世にあろうとも、己の授けられたる職務を完うし、すなわち天命を喜び、その任に当るのが人間に生れた義務である。(新渡戸稲造)
まとめ
ノーベル賞の受賞者・山中さんは、ノーベル賞を受賞するほどの努力と研究を重ね続けた、という事実が重要なのだと感じます。
そういう人だからこそ、「万事塞翁が馬」という言葉が胸を打つのであって。
何もしてない人に言われても、信ぴょう性がないですよね。
「なるようになる」と思うたび、「誰が言ってるんだ?」と、自分につっこんでみよう。
そして、なすべきことを、なそう。
ということで。
「他人の」なすべきことを必死でやっても、なんにもならない。