今の目標、本当に自分で選んだもの?【自分らしい選択】をするために

スタンフォードの自分を変える教室

私たちの選択の大部分は「自分の選択ではない」ことが、心理学の研究でわかっています。

 

この目標、本当に自分のものなのかな?

 

実は……

 

他人の目標に感染している

 

という、可能性があります。

 

なんとなく違和感を抱くなら、ちょっと立ち止まって考えてみたほうが、いいかもしれません。

 

その目標、本当に自分で選んでいるでしょうか?

自分の人生を生きるには、どうしたらいいのでしょう?

 

参考図書

スタンフォードの人生を変える教室

 

他人をうらやんで、他人と同じものをほしがっていませんか?

本当に、自分が望んでいることなのか

目標に対して、こんな気分になっていませんか?

  • 目標を立てただけで、いい気分になる
  • 今度こそ変わらなきゃと、肩ひじ張る
  • 他人の姿を見て、焦っている
  • 達成できない自分には価値がないと感じる
  • 気分が重たい

 

もしも、上記のような感覚になっているならば、要注意です。

自分の本心が、わかっていない可能性があります。

何を基準に、その目標を目指しているのでしょうか。

何かを選択するときの基準とは

無意識のうちに、基準としているもの

  • 他人が、考えていること
  • 他人が、やっていること
  • 他人が、欲しがっているもの
  • 他人が、私に期待していること

 

なんと、すべてが「他人が……」というもの。

なぜなのでしょう?

 

本当に「よいこと」をしたい?

ソクラテスをはじめ、偉大な哲学者たちが追い求めたことは……

 

「よく生きる」こと

 

そのことを、人生をかけて研究していたのです。

 

しかし!

 

実は……

 

人間の欲求のなかで「よいことをしたい」という部分は、とっても薄いことがわかっています。

 

哲学がなかなか理解できないのは、そのせいかもしれません。

 

では、私たちは、何を強く願っているのでしょう……?

 

私たちが、強く願っていること

それは……

みんなと同じでいたい!

 

「よく生きること」よりも、はるかに強く・熱く、ガムシャラになって、望んでしまう。

 

子どもの頃を考えてみると、思い当たるでしょう。

 

何かを欲しがる理由は、常に……

 

「みんなが持っているから」

 

だったこと。

 

私たちに、子どもを批判することはできません。

大人になってからも、ずっと、同じ思考回路で生き続けているのです。

 

このことを、目標感染といいます。

みんなと同じでいたいからこそ、他人の目標に感染してしまうのです。

 

自覚症状がなく、感染している

これは、すごく怖いのです。

なぜなら、自覚症状がないから。

 

もちろん、良い感染なら問題ありません。

本気で、この人みたいになりたいと目指すのはいいのです。

 

ただ、燃え尽きたり、ウツになったりしたときに、初めて気づくもの。

目指すものが違ってた……ということに。

 

脳の仕組みだから、仕方のないこと

気づかないといっても、私たちが悪いわけではありません。

実は、脳にもともと備わっている機能なのです。

それが、「ミラーニューロン」というもの。

鏡の細胞:ミラーニューロンの働きとは

他人の思考・感情・行動に、鏡のように反応する

ミラーニューロンとは

他人の思考・感情・行動を察知し、そっくりそのまま、自分の体で再現しようとする細胞。

「鏡」のように反応することから、名付けられたもの。

 

ひとことで言うと、「モノマネ細胞」です。

一緒に生活している人同士が、どんどん似ていくのは、「ミラーニューロン」があるから、といえるでしょう。

 

ミラーニューロンのおかげで、模倣学習が可能になる

ミラーニューロンについて、詳しいことは、まだ明らかにはなっていないようです。

ただ、模倣学習が可能になったおかげで、知性が発達したのだと考えられます。

 

共感能力も、ミラーニューロンがあるからこそ。

そして、目標感染も、ミラーニューロンによるものです。

ミラーニューロンによる、3つの感染

  1. 行動感染:他人の行動を、無意識にマネする
  2. 感情感染:他人の感情を、自分の感情にする
  3. 目標感染:他人のほしがるものを、自分もほしがる

 

1.行動感染

たとえば、目の前の人が首をかしげると、同じように首をかしげたりします。

子どもが大人と同じように振る舞いたがるのも、感染といえるのでしょう。

私たちは、どうしても、他人と同じことをしたくなるのです。

 

2.感情感染

誰かの機嫌がいいと、こちらまで機嫌がよくなります。

逆に、誰かがイライラしていると、同じようにイライラしてしまう。

痛みや苦しみも同じように感じるからこそ、共感ができるのです。

 

3.目標感染

そして、目標感染。

誰かが何かを目指していると、同じように目指してみることが、ありませんか?

誰かが試験を受けると言えば、自分も受けてみようと思ったり。

「その場の雰囲気で決めてしまった」という感覚も、目標感染といえます。

 

脳の働きだからこそ、無自覚であり、無意識です。

よい影響を受けるのであればいいのですが、気をつけていないと、いつの間にか、「やりたくないことを必死でやっている」ということになりかねません。

 

じゃあ、どうすればいいの?

 

自分の本心から選択する方法

自分の「気分」をじっくりと観察してみる

「晴れやかな気分」を選択基準にしよう

研究では、以下のことが明らかになっているそうです。

 

本心からの目標でなければ、たとえ結果が出ても「晴れやかな気分」にならない。

 

であるならば、「晴れやかな気分」を基準にしてみると、よさそうですね。

 

目標感染になっているときの気分

  • 目標を立てただけで、いい気分になる
  • 今度こそ変わらなきゃと、肩ひじ張る
  • 他人の姿を見て、焦っている
  • 達成できない自分には価値がないと感じる
  • 気分が重たい

 

本心からの目標のときの気分

  • 目標を考えると、元気と強さが出てくる
  • 努力を努力と感じない、楽しい努力
  • 目指している時点で、自分に価値を感じている
  • 気分は晴れやか

 

さて、今の目標・今の情熱、本当に自分の本心でしょうか?

 

自分の本心をチェックし、軌道修正を続ける

自覚、自己客観視、自己コントロールとは……

 

本心から離れている自分に気づいて、常に軌道修正していくプロセスのこと

 

自己分析や、内省の目的は、「本心から離れていないかどうか」をチェックすること。

「違うかも」と思ったら、修正しなければなりません。

 

自分の目標を、常に思い起こす

自分の目標をあらためて思い起こすことは、他人のもっている菌からあなたの身を守ってくれるワクチンのように、あなたの心構えをいっそう強化し、望ましくない欲求が感染するのを防ぐ助けになります。

 

自分の本心を思い起こしていかないと、「他人の意見に流された」という状況になってしまうことは、避けられません。

風邪をひかないように、うがい・手洗いをしたり、マスクをしたりするのと同じで、心にも予防が必要なのです。

 

「自分は平気」と安易に考えない

感染予防は、常に心がけなければなりません。

油断している人ほど、病気になったりしますよね。

「他人に流される自分」なのだと自覚して、予防に励む。

目安としては、みんなと違う意見をもったときに、言えるかどうかです。

 

10人中9人が「Aだ」と言うとき、一人だけ「Bだ」と言えるかどうか

いろいろな本を読んでいて感じることは、「自分の思い」と「他人の思い」が違ったとき、それでも「自分の思い」を貫く人が、本当の望みを叶えている、ということ。

たとえば、10人中9人が「Aだ」と言っているときに、一人だけ、「やっぱりBだ」と言えるでしょうか。

「幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵」という本には、次のようにあります。

 

自分がしようとしていることの目的を見きわめようとする人は、主体的に幸福を選択することができる。

皆が進むのと同じ方へと向かって歩いていこうとはしないことがある。

皆が酔っているのに、一人だけが醒めている感覚。

皆が成功を目指していても、日常のささやかな幸福があることを知っている。

 

世にあふれる成功法則、本当に自分に必要か?

「こうすれば成功」「こうすれば幸福」と、ありとあらゆる人が唱えていますが。

本当に必要なのかどうか、疑ってみなければなりません。

まさに、「酔わされている」感覚になってしまいます。

 

だからといって。

人と違うことをすればいい、ということではない

ポイントは、「自分がしようとしていることの目的を見きわめようとする」というところでしょう。

必要ならばやるし、不要ならば捨てる。

「自分もAだと思う」ならば、Aを選ぶことです。

 

自分の本心に従っているのかどうか

 

要するに、「晴れやか」かどうか、ですね。

 

でも不安だよ。

自分の本心さえ、わからないことがあるし……

 

そんなとき、一番いいのは、本当にマネしたい人だけを見ることです。

「理想のあの人なら、どうするだろう?」と考えてみる

「理想像」をもったほうがいい理由

私たちは、自覚・無自覚にかかわらず、常に、「お手本」を参考にしているのです。

必ず、誰かのマネをしているもの。

 

最初は、両親を。

その次は、学校で出会う、同世代の人たちを。

 

子どもの頃は、環境を自分で選べないので、必然的に、周りにいる人に影響を受けてしまいます。

でも大人になった今は、自分で選べる。

 

意識していなくても、「理想像」を勝手に作ってしまう

「理想像を決めよう」とか、「メンターをもちましょう」とか、よく言われますね。

実は、理想像やメンターは、自分で決めなくても勝手に作ってしまうのです。

周囲にいる人を、無自覚でマネしているから。

無意識にまかせていると、誰彼かまわず、マネしてしまうことになります。

 

であるならば……

自分で意識的に決めたほうが、いいのでは?

「この人」と、決めた人だけを見るのです。

 

お手本にしたい人のことを考えるだけで、感染できる

自制心の強い人のことを考えると、自分自身の意志力も強くなることが研究によって明らかになっています。

 

「目標感染」を考えてみれば、論理的にも合います。

私たちは、すぐに感染するのです。

自分が「お手本」としている人に。

 

だからこそ、「お手本の人」を考えて、積極的に感染してしまう。

これが最善なのかもしれません。

 

お手本にしたい人のことを心に思い浮かべましょう。そして、鉄の意志をもつあの人なら、こんなときはどうするだろうと考えてみるのです。

 

だから、「自己コントロール」を極端に言い換えれば、次のようにも定義できます。

自己コントロールとは
自分の心の中に、「理想のあの人」を取り込むこと。

 

なんだか、他人の人生を生きているみたいだな。

 

そうなのです。

私たちは、奥深いところでは、「自分・他人」の区別がないのです。

関係性の中で、幸せに生きる選択をしよう

私たちの自己意識は、他の人たちとの関係の上に成り立っており、多くの場合、他の人たちのことを考えることによってのみ、自分というものをとらえることができます。私たちの自己意識には、このように他の人たちが含まれているために、その人たちの選択が私たちの選択にも影響を及ぼすのです。

「自分」とは、「他人の中の自分」である

私たちが、「自分」を認識できるのは、「他人」がいるからこそ。

「関係性の中での自分」でしかないのです。

もしも世の中に生きている人間が、自分一人だけであるならば、「自分」という概念も生まれないでしょう。

常に、他人がいてこその自分。

 

だから……

影響を受けるのは当たり前

避けて通ることはできないのです。

「自分軸・他人軸」という言葉もありますが、ある意味、「他人軸」になることは、当たり前

他人の影響は、必ず受けるものだと自覚しておいたほうがいい。

 

じゃあ、「自分の人生を生きる」には、どうしたらいいんだ?

 

だからこそ、私たちに唯一できることは……

「誰の影響を受けるか」を自分で決めること、なのです。

誰を見て、生きていきたいか

私たちの思考・感情・行動は、必ず誰かの影響を受ける。

簡単に感染してしまいます。

 

であるならば。

「イヤな人を避ける」ことの必然性が身にせまるのではないでしょうか。

 

イヤな人に注目する時間が、もったいない

自分で積極的に、イヤな人に感染しにいく。

そんな人生を続けたいでしょうか。

 

グチを言う人は避けたほうがいいし、自分自身も、グチを言っている暇が、もったいないですね。

 

自分が誰を見ているかで、自分の人生が大きく左右される

感染が避けられないのであれば、せめて、「誰の影響を受けるか」だけは、自分で決めたいもの。

 

「自分はいつも、誰を見ているのか?」に注意する

 

脳は、注意を向けたほうに、働きます。

 

だから……

  • 好きな人だけを見る
  • 理想とする人を見る
  • 常に「お手本」を見続ける

 

このことが、どれほど大事かが、わかります。

最終的には、「身をゆだねる」のがいい

自分で決めるけれど、自分で決めない

ミラーニューロンが勝手に働く

私たちは、お手本とする人のことを考えただけで、感染することができます。

なぜなら、ミラーニューロンが勝手に働いてくれるから。

 

なので、逆説的な話になりますが……

 

自分で決めるけれど、自分では決めない

 

つまり。

お手本にしたい人は自分で決める

でも、途中過程で出てくる「自分のマイナスの思い込み」では決めない

 

というのが、いいのでしょう。

 

え……「自分で決めない」のも、やっぱり怖い。

 

そうなんです。

いつもは、無意識のうちに感染しているわりに、いざとなると「やっぱり自分で決めたい」と抵抗してしまうもの。

なぜなのでしょうか。

なぜ、抵抗してしまうのか

1.「やっぱり自分で決めたい」と思っている

無意識に感染している一方で、「自分で決めたこと」と思いたい。

「自分で決めたくない」という気持ちがある一方で、「やっぱり自分で決めたい」という気持ちがある。

私たちは、とても矛盾しているし、頑固なのです。

 

2.自分には無理だろうと思っている

「お手本の人」を思い浮かべたとき、つい思ってしまいませんか?

 

「私には、あの人のようにはできない」

「自分には無理だろうな」

 

これでは、当然のことながら、感染しませんよね。

 

本来なら、思い浮かべてみるだけでも、感染できるもの。

 

だから。

「感染できるんだ、ワクワク」と思ってしまえるかどうか

 

これが、「サレンダー」という考え方です。

サレンダー:あきらめて、身をまかせてしまう

サレンダーとは

投げる、ゲームを降りる、降参する

 

要するに、「負ける」ことです。

「あきらめよう、そうすればうまくいく」という言葉がありますが、「流される自分」をあきらめてしまうのです。

 

抵抗せずに、思い切って流されてみると、道は開ける

「この人」、あるいは、「この理想」と思ったものには、抵抗しない。

負けてみる。

流されてみる。

身をゆだねてみる。

 

最終的には、「自分で決めない」という覚悟。

 

流されてもいいかどうかを見きわめるまでが苦しいのであって、決めてしまえば、あとはゆるやかに流れていきます。

 

「流れに身をまかせる」というあり方も、ぜひ取り入れてみてください。

 

POINT
他人の影響を受けざるをえないことを、あきらめる。

だからこそ、誰の影響を受けるかは、自分で決めよう。

決めたら、思い切って流されてみよう。

まとめ

ふと気づくと、「これは誰の考えなのだろう?」と感じることがあります。

自分の考えではないような感覚。

すべてを鵜呑みにしているだけのような、マネをしているだけのような。

誰の人生を生きているのかさえ、わからなくなる。

でも、それはある意味、当たり前のことだったのです。

私たちは常に、他者の中でしか生きられないから。

「何ものにも影響されない」「不動の自分」というのは、科学的に見れば、不可能なのかもしれません。

だからこそ、せめて、誰に影響を受けるかだけは、自分で決めたい。

そのなかで、「他者の中で生かされている自分」ということにも、気づいていくのでしょう。

「自分は一人ではなかった」と。

関係性の中でこそ、人は成長するのであり、関係性を抜きにしては、自分の人生を生きることも、できないということではないでしょうか。

 

だから、イヤな人・モノは見ずに、好きな人・理想の人を見る。

影響を受けることに感謝できるような人を、求める。

そうして、影響されつつ、自分も影響を与えつつ、他者との関係性の中で、感謝できるような人生が、幸せなのかもしれません。

 

ということで。

 

今日の問いかけ
  • 自分の本心は、どこにある?
  • 今の目標を考えると、晴れやかな気分になるだろうか?
  • 誰の影響を受けて、生きていきたいか?

 

関連記事

スタンフォードのストレスを力に変える教科書ストレスを避けると【10年間でウツになる】幸せな人の生活習慣は逆だった ハーバード大学の心理学講義本当の自分って?【性格よりも大事なもの】自分を偽ってる気がするときの対処法

 

参考図書

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です