孤独な人ほど、「2つの力」を身につけることで、人生の「質」を上げることができる。
周りに人がいても、なんだか寂しい。
どうしようもなく孤独で、つらい。
そんな人に必要なのは……
「孤独力」と「内省力」
「孤独をたのしむ力」(by 午堂登紀雄)によると、孤独力と内省力があれば、寂しさも癒され、すべての経験を価値に変えることができるといいます。
さて、私たちは孤独と、どう向き合えばいいのでしょうか。
参考図書
Contents
孤独を恐れる人の特徴とは
孤独を恐れる人の特徴
- 自分が嫌い
- 自分を否定する
- 自分を抑えて周りに合わせる
- 自分を必死で隠す
- 自分がわからない
- 自分で決められない
- 他者から見た、理想の自分を求める
- いつも他人に乱される
- いつも我慢している
- いつも疲れている
- 小さなことを拡大解釈する
- 振り返り・内省ができない
- 悩みやストレスが解決できない
- 精神的に成熟できない
- 人といることで気をまぎらわす
- 群れていないと安心できない
- 永遠に自己実現ができない
孤独を恐れる人には、「自分が嫌い」「自分で考える力がない」という2つの軸があります。
- 自分が嫌い
- 孤独力がない
- 自分で考える力がない
- 内省力がない
「孤独力」と「内省力」が、キーワード。
孤独の寂しさを解消するには。
- 自分を好きになること
- 自分で考えること
1.孤独力
人との関わりの中でも、自分を保っていられる力
孤独力とは、他人との接触を避け、物理的な孤独の状態そのものを愛するような、自閉的な意味ではありません。
(「孤独をたのしむ力」)
アメリカの思想家・エマソンも、次のように述べています。
この世界では、周りの意見に従って生きる方がたやすい。しかし偉大な人物というのは、大勢に囲まれている中でも、見事なまでのしなやかさで、自分を保っていられる人間だ。
(「自己信頼」by エマソン)
大勢に囲まれていても、流されない
まさに、孤独力。
人と関わらない生き方を勧めているのではありません。
人と一緒にいても、流されずに生きていける力が、私たちには備わっているのです。
「見事なまでのしなやかさ」とは、ステキな表現ですね。
孤立と孤独とは違う
- 孤立:他から切り離され、
つながりや助けが得られないこと - 孤独:ひとりぼっちであること
孤立とは、自分の気持ちとは裏腹に、無理やり切り離されるような感覚。
一方、「孤独力」という意味の孤独とは、自ら選んでいる主体性があります。
私たちにとっては、孤独よりも孤立のほうが怖いですよね。
孤独と孤独感とも違う
アドラー心理学では、幸福の条件を「貢献感」だとしています。
「自分は貢献できているのだと、自ら感じること」が「貢献感」。
自分の主観で決まるもの。
ということは、「自分は孤独なのだと、自ら感じること」が「孤独感」。
やはり主観で決まります。
自分の主観で、感じていること
周りに人がいても、なぜか孤独を感じる。
好きな人がいても、なぜか寂しい。
誰かにそうさせられているのではなく、自分の主観で感じている。
ということは。
自分の主観を変えればいい
自分の主観に問題があるのであって、主観さえ変われば、変わります。
状況が問題なのでは、ないのです。
主観が変われば……
物理的に孤独になっても寂しくないし、どんな状況であっても自分を好きでいられる
それが孤独力。
自分で自分を理解し、自分で自分を認められる力
なぜ、一人でいても寂しくないのか。
自分で自分を理解しているから。
自分で自分を認めてあげてるから。
ナルシストとは違うんです。
誰かに理解してもらったり、誰かに認めてもらったりする必要がないということ。
自分で自分を理解し、認めてあげることができれば、「わかってくれない」「評価してくれない」という不満が出ることはありません。
自分が全力を尽くして事に当たったなら、満足できる結果だろうとそうでなかろうと、自分の努力を認めることができます。
自分の内部で、不安や悩みも自己消化できるし、出来事へのとらえ方を変え、幸せを感じられます。そんな精神の強さを獲得するには、必ず孤独の時間が必要なのです。
(「孤独をたのしむ力」)
孤独力をまとめると。
- いつでも楽しめる
- 誰かと一緒でも楽しめる
- 一人でも楽しめる
- 物理的に孤独になったとしても寂しさを感じない
- どんな状況でも、自分を好きでいられる
- 誰と一緒にいても、自分が好き
- 誰と一緒にいなくても、自分が好き
- 何があっても、自分が好き
- 何がなくても、自分が好き
- 自己理解・自己承認ができる
- 自分で、自分を理解する
- 自分で、自分を認める
- 自分で、不安や悩みを消化できる
- 自分で、とらえ方を変えることができる
自分の価値を自分が知っていれば、不安にならない
再び、エマソンの言葉を引用します。
人は、自分の価値を知り、何ごとも自分の思うようにすべきだ。世の中は自分のためにあるのだから、まるでチャリティー・スクールの生徒や、私生児や、もぐりの商人のように、覗き見をしたり、盗みを働いたり、こそこそ歩き回ったりしないでほしい。
(「自己信頼」by エマソン)
他人とムダに群れようとすることを、「のぞき見」と表現しているのが面白いですね。
不安で誰かを求めるのは、「つながり」ではなく、「のぞき見」なのではないでしょうか。
何ごとも、自分の思うようにしていい
誰かに理解してほしくなるのは、自分の価値を、自分で理解していないから。
自分の考えに不安があるから、他人の言動が気になってしまうんです。
もっと、自分の思うようにしていいのです。
いえ、「すべき」とまで、エマソンは言っています。
自分で自分を理解するために必要なのは、内省力を鍛えることです。
2.内省力
- 自分の価値観を受け入れる
- 経験を振り返って分析する
- 自分の考えと行動を修正する
- 自らを成長させていく
刺激を取り込み、自己変革を起こす力
人間は人とふれあうから成長するのではありません。人とふれあった刺激を自分の内に取り込み、それを自分の意志や価値観とぶつけ、より適切な言動となるよう、自己を変革させるから成長するのです。
実際、たくさんの人と会っていても未熟な人は大勢います。
ただ友達が多いだけの人のほうが、かえって薄っぺらい印象があるのは、刺激を自分の内に取り込めていないためです。
(「孤独をたのしむ力」)
自己変革のために必要なこと
- いつもと違うことをする
- いつもと違う場所へ行く
- いつもと違う人と会う
- たくさんの経験をする
よく、「脳に刺激を与えたほうがいい」といいますが。
刺激は、刺激のままでは意味がない。
たくさんの人と会っても、たくさんの経験をしても。
内省がなければ、ずっと薄っぺらい。
旅行も同じ。
新しい土地に行くと、「脳が刺激される」のは確かですが。
旅行にいって、内省するからこそ、成長になる。
「いつもと違う道を通る」「いつもと違うことをする」という話も同じ。
脳はマンネリを嫌うからといって。
やたらと「違うこと」をしても。
内省がなければ、なんにも学べません。
気分転換にしても、ストレス発散にしても同じ。
刺激を内に取り込めなければ、何をやっても、「やってみたけど、なんだったんだろう」という結果になるだけです。
だから。
表面的な行動だけを変えてみたところで、ダメなんですよね。
一番のポイントは、「自分とつながる」ことができるかどうかです。
自分とつながる力
「つながり感覚」は、単純にそばに人がいるとか、家族がいるとか、目に見える誰かとのつながりだけを指すわけではなく、自分の心とのつながりもあります。具体的には、自分の夢や目標とのつながりです。
(「孤独をたのしむ力」)
- 自分の心との、つながり
- 自分の夢・目標との、つながり
寂しくなると、誰かとつながりたくなりますが。
「つながり」とは、他者とのつながりだけではない。
自分とつながること。
自分の本音とつながれていますか?
自分の本音と向き合い、つながる。
「自分とのつながり感覚」は、どれくらい、もてているでしょうか。
経験をすることの目的も、自分とつながるため。
人と会う目的も、最終的には、自分とつながるため。
究極的には、「自分とつながることが、生きる目的」なのかもしれません。
本当の幸せも、「自分とのつながり」の中にあるもの。
「なぜか寂しい」のは、自分とつながれていないから
逆に言えば。
自分とつながっていれば、何があっても安心できる
だからこそ。
自分とつながれる人こそ、他者ともつながれる
孤独力と内省力のある人は、人づきあいが楽しめる
友人に、悩みごとを相談する必要はない
悩みやストレスは自分で消化できるようになるため、他人に相談する必要性を感じなくなります。つまり、心を許すとか許さないといった次元を超えて人とつきあうことができるのです。
(「孤独をたのしむ力」)
悩み相談は、よいときもあれば、悪いときもあります。
不快な気分になって、関係性が壊れてしまうことも多いもの。
悩み相談で、関係性が崩れる理由
- 余計なアドバイスをされる
- 上から目線で言われる
- あわれみの目で見られる
余計なことを言われて、友情が壊れることは、よくあります。
内省力がつくと
- 一人で解決できるようになる
- 相手に依存しなくなる
- フラットな人づきあいができるようになる
孤独力と内省力とは寂しいものではなく、むしろ、人間関係が豊かになるものなのです。
本当に困ったときはプロに頼もう
これ、本当に大事。
余計なアドバイスをもらって、ムダに悩むことがなくなります。
その分、親しい人には、ありのままを出せるようになれるのです。
自分をさらけ出せる人間の心はいつもさわやかです。隠し事をする必要がない状態というのは、心の引っ掛かりがないからです。
(「孤独をたのしむ力」)
まとめ
幸せになるために必要な2つの力
- 孤独力
- 自分の意志を主体にして生きられる
- どんな状況でも自分を好きでいられる
- 内省力
- 振り返りで、経験を価値に変えられる
- 自分で考え、自分の言葉で語れる
孤独な人は、自ら孤独を選んだというよりも。
- 必然的にそうなってしまった
- 仲間や恋人を求めているのに得られない
という人のほうが多いとは思います。
そんな人に紹介したいのは、次のショーペンハウアーの言葉。

早くから孤独になじみ、孤独を愛するところまできた人は、金鉱を手に入れたようなもの。
金鉱とは、「金のとれる鉱山」のこと。
長い間、孤独でいると、山ごもりしている修行僧なのかと思いたくなるときもあると思いますが。
もしも、その山が鉱山だとしたら?
たくさんとれる金を、独り占めしているのだとしたら?
不運が一転、大幸運にさまがわり。
孤独になじんでいる人とは、そういう人だというのです。
ただし、条件付き。
「孤独を愛するところまできた人」ならば、です。
どうせ孤独なら、孤独を愛する。
喜んでみる。
ゲーテは言っています。

喜んで行ない、そして行ったことを喜べる人は幸福である。
誰がいるとか、いないとかではなく。
喜んで行動できる人こそ、幸福。
だから。
孤独を、愛し、喜んでみよう。
孤独力と内省力を鍛えれば、幸せになれます。
人生の「質」が、上がるのです。
孤独力と内省力がある人は。
- いつでも楽しめる
- 誰かと一緒でも楽しめる
- 一人でも楽しめる
- 物理的に孤独になったとしても寂しさを感じない
- どんな状況でも、自分を好きでいられる
- 誰と一緒にいても、自分が好き
- 誰と一緒にいなくても、自分が好き
- 何があっても、自分が好き
- 何がなくても、自分が好き
- 自己理解・自己承認ができる
- 自分で、自分を理解する
- 自分で、自分を認める
- 自分で、不安や悩みを消化できる
- 自分で、とらえ方を変えることができる
ということで。
- 外からの刺激を、刺激のままで終わらせていないだろうか?
- ひとつひとつの経験を、価値に変えられているだろうか?
- 本当に、人と会いたいのかな?
- 孤独を、愛してみたらどうなるだろう?
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