販売戦略を考えるために、まず理解しなければならないのが USP、UFP、BDF。
どういう意味なのか、まとめてみました。
簡単に言うと、こうなります。
- USPとは、独自のウリ
- UFPとは、独自の実績
- BDFとは、ターゲットの気持ち
これを理解すると、マーケティング戦略が見えてきます。
Contents
USPとは~Unique Selling Proposition~
独自のウリ(=強み)のこと
USPとは、ターゲット(顧客)が欲しがっている、独自のウリ(=強み)
独自のウリ・自分だけの強みが、USPです。
ただし、自分だけの強みとは言っても、「ターゲットが欲しがる」ものでなければなりません。
ターゲットが欲しがっていない、すなわちニーズのないものならば、ただの独りよがり。
だから、USPを探すためには、ニーズをリサーチする必要がありますね。
自分にしか提供できないもの+ニーズのあるもの=USP
USPを見つけるためには、次の質問を投げかけてみましょう。
USPを見つけるための質問
- 顧客はなぜ、あなたから買うことが最善なのか?
- なぜ、あなたを選ばなければならないのか?
この質問に答えられると、自分のウリ(=強み)を説明できるようになります。
UFPとは~Unique Fact Proposition~
独自の事実・実績のこと
UFPとは、キャッチコピーに入れるべき独自の事実・実績
自分だけの独自の事実・実績が、UFPです。
キャッチコピーには、独自の事実・実績を入れるようにしましょう。
論より証拠です。
自分の実績+ニーズのあるもの=UFP
USP・UFPを見つけるために必要なこと
USP・UFPを見つけるステップは、次のようになります。
つまり、やってみなければわからないということですね。
そして、観察・洞察をするときのポイントは、ターゲットのBDFを探ることです。
ターゲットのニーズを知るために、考えるべきこと
ターゲットのBDFをリサーチしよう
BDFとは、次の3つのことです。
つまり、消費者心理・購買心理のこと。
人が何かを欲するときには、何かに不満や怒りを感じています。
不満や不便があるから、より満足・便利を求めて買うわけですよね。
ただし、欲しいと思いつつも「どうせ無理だろう」という思い込みも持っています。
その思い込みのせいで、買うことをためらってしまう。
そのような心理が、頭の中でうずまいています。
だから。
消費者の頑固な思い込みをはずしてあげることができると……
無理なく自然に、売ることができるというわけです。
ヒアリング
ターゲットに寄り添う
相手の願望を叶える「マーケットイン」が成功のコツ
お客様・ユーザー・消費者など、対象にしたい相手をここでは「ターゲット」と呼びます。
マーケティングの極意は、何よりも「ターゲットの望みを知る」ことです。
ターゲットの望み・悩み・ニーズを知り、そこを解決してあげる。願いを叶えてあげる。
そのことを「マーケットイン」といいます。
逆に、自分のこだわりで売っていくことを「プロダクトアウト」といいます。
自分の売りたいものや、自分の技術にこだわるというやり方。
- マーケットイン:「ターゲットの視点」を優先させた商品開発の方法(ターゲットが望むものを作る)
- プロダクトアウト:「作り手の視点」を優先させた商品開発の方法(作り手がいいと思うものを作る)
好きなことをやろうとは言っても、「プロダクトアウト」では成功する確率が低い。
ニーズに応えるという「マーケットイン」の観点がないと、なかなかうまくいかないようです。
一番強いのは、自分の好きなことと、ターゲットの要望が一致する部分を探すこと。
それが、好きなことで稼ぐコツですね。
その際、すべての人に売ろうとするよりも、ターゲットをギュギュッと絞り込むほうが自分の能力を発揮しやすくなります。
例えば、「日本一の山と言えば富士山」ですね。
高さでは日本一になれないけれど、「これなら富士山に負けない」ものを探すこと。
そこを、考え出していくのがマーケティングのスキルです。
ターゲットの好きな言葉、ターゲットが喜ぶ言葉を使おう
ターゲットが好きな言葉というものがあります。
よく見かけるものとしては、「早い」「簡単」「誰でもできる」「期間限定」「無料」というような言葉。
消費者の心理として、やはり、そのようなワードにひきつけられてしまうのです。
自分は良いことを言っている
これこそが美しい言葉なんだ
どんなにそう思っても、ターゲットの心に響かなければ、何も届かない。結果は出ません。
独りよがりにならないことが、仕事をするうえで大事なことです。
人間関係も同じですよね。
相手の心に寄り添い、相手が喜ぶことをしてあげれば、仕事も人間関係もうまくいくということです。
「売れない」と嘆くのではなく、ターゲットに寄り添えているかどうかを考える。
「わかってくれない」とスネるのではなく、相手に寄り添えているかどうかを考える。
かなり厳しい言葉を聞きました。
買い手は、売り手のこだわりや思いに興味はない
買い手は、買い手自身の悩みが解決できるかどうかが重要なのであって、売り手のこだわりはどうでもいい。
買い手の立場になると当然だと思いますが、いざ、売り手側・与える側になると、その視点が抜けてしまいがちです。
そして、次のような思いが頭をよぎります。
誰もわかってくれない
こんなに頑張っているのに…
なぜ、人が集まってくれないの?
答えは簡単。
ターゲットに寄り添っていないから
不満が出たときこそ、自分をかえりみる必要があります。
ポジショニングこそ仕事の決め手
自分たちオリジナルのコンセプトを強調すべきだ。(「ポジショニング論」)
新しい仕事を始めるとき、起業するとき、ポジショニングをしっかり決めてからスタートすること。
それが決め手だそうです。
ポジショニングとは、「これなら富士山に負けない」ものです。
どこで一番をとるのか?ということですね。
そこを探るコツとしては、業界1位がやっているところから、抜け・漏れ・不満・あったらいいなという不足部分を探すことだそうです。
例えば。
富士山は体力のある人にしか登れないけれど、この山は子どもや老人も登れる山
それが、ポジションです。
自分のポジションをどこに置くか?
最初のコンセプトで、今後の動向が決まってしまうので、非常に重要なところになります。
起業した瞬間に1位をとる
ターゲットの好きな言葉で肩書を作る
最初の駆け出しからポジショニングを考える必要があります。
テスト・評価を必ずおこなう
広告をうったら、それがどれだけの効果を出したのか、評価をおこなうことが基本だそうです。
商品やサービスを購入するとき、アンケートを書く欄があったりしますね。
あれがそうです。
何を見て申し込んのだか
どの検索エンジンからたどり着いたのか
どのチラシを見てくれたのか
誰からの紹介なのか
どんな広告・宣伝が効果的なのかを把握し、次への改善につなげなければなりません。
アンケートの実施や、レビューを書いてもらうことは、とても大事なマーケティング戦略なのです。
自分自身については、他者からのフィードバックですね。
個人的には、とても苦手な部分です。
商品の評価ならいいですが、自分自身について、他者からの評価をもらうことはとても怖い。
自分のやり方や姿勢はどうだったのか、どういう影響を与えたのか、評価されることはできるだけ避けたい。
でも、それをしないと、成長しないんだなぁと感じました。
テスト・評価ができるかどうか、それが、仕事においても人生においても、次のステージへ行くための大事なステップ。
なかなか怖いけれど、心がけてみようと思いました。
まとめ
BDF、USP、UFP
マーケティング戦略を考えるためには、次の3ステップが必要。
- ターゲットのBDF(思い込み・どうしても欲しい気持ち・不満)をリサーチする
- BDFをもとに、USP(独自のウリ)とUFP(独自の事実・実績)を考える
- 仮説・検証を繰り返す
大事なことは、ターゲットが欲しがっているもの(=ニーズ)にもとづいて、自分のウリ(=強み・価値)を考えることです。
USPは独自のウリ。UFPは独自の実績。
自分のウリを考えるには、ターゲットBDF(思い込み・欲しい気持ち・不満)をリサーチしよう。
マーケットイン
他者(競合)と同じことをやっていても勝てない。
自分だけの強みを探し、そのなかからターゲットの要望と重なる部分を見つけ、そこをウリにしていくというのがポジショニング。
そのためには、ターゲットの願いやニーズを把握しなければならない。
「相手の心を知る」という人間力が、大切だということですね。
マーケティングを学ぶことは、人生を学ぶことにもつながります。
他者と比べることで自分だけの強みを見つけ、それでいて他者の心を無視しない。
そんな生き方ができたらいいなと感じます。
そのなかで自分のポジションを確立する。
マーケティングの理論は面白い。