「言ってもわかってくれない」のではなく、こちらが「聞けてない」だけ。
相手に好かれる「話の聞き方」を身につけましょう。
励ましても無視される
アドバイスしても受け止めてくれない
人の相談にのると、疲れてしまうことがありますよね。
なんて言っていいか、わからなくなってしまいます。
でも、相手が悪いわけではありません。
ほとんどの場合は、聞き方が間違っているのです。
だから……
悩んでいる人に対しては、アクティブ・リスニングをしよう。
アクティブ・リスニングとは、相手の話を100%聞くことです。
Contents
アクティブ・リスニングこそ、問題把握・問題解決の基本
「正そう」とするより、「わかろう」とすること
「正そう」とする前に、相手の抱えている悩みを「わかろう」とすることが大切。
by カール・ロジャース(米国の臨床心理学者)
悩んでいる人の話を聞いていると、「解決策を教えてあげねば」「間違いを正してあげねば」という気持ちになってきますよね。
でも、それは勘違い・思い込みです。
- 「解決策を教えてあげねば」は勘違い
- 「欠点を正してあげねば」は思い込み
解決策は、教える必要がありません。
なぜなら、本人が自分で見つけるしかないからです。
また、欠点を正そうとするのも間違い。
悩んでいるのに、欠点を指摘されてもツライだけですよね。
それに、「欠点があるからこそ悩んでいる」というのも思い込みです。
悩んだり、落ち込んだりすることに理由はありません。
ただただ、心が悲鳴を上げている状態です。
先入観を捨てて、まっさらな気持ちで聞くことが大事ですね。
そんなときのオススメこそ、アクティブ・リスニング!
「ただ聞く」のではなく、❝アクティブに❞聞くことです。
「聞く」とは、「100%聞く」こと
本当に相手の話を聞けている人って、ほとんどいませんよね。
「話半分に聞く」とは言いますが、50%も聞けてないのではないでしょうか。
20%~30%聞けているかどうかです。
では、何%くらい聞けばいいのかと言うと……
80%や90%でも不十分
100%聞かなければ意味がない
大変そうに感じますが、実は、100%聞くほうがラクなのです。
相手には、「聞いてもらった」という満足感が残り、信頼が生まれる。
こちらは何も言ってないのに、自然と問題が把握できて、解決策まで見えてくる。
こんなにいいことはないですね。
アクティブ・リスニングの姿勢
1.さえぎらずに最後まで聞く
- 本気で関心をもって聞く
- 純粋に好奇心をもって聞く
2.聞いていることが伝わる姿勢
- 相手の目を見る
- 大きくうなずく
- 相づちを打つ
- 身を乗り出す
- 身振り手振りを加える
- メモをとる
3.疑問点はその場で質問
でも可愛らしく、
アクティブ・リスニングの手順
アクティブ・リスニング3つのコツ
1.繰り返す
「……ということですね?」
相手の言った言葉を繰り返すだけで、相手は、「ちゃんと聞いてくれている」という気持ちになります。
受け止めてくれていることが伝わるからですね。
当然ですが、繰り返すためには、話をきちんと聞いていないと繰り返せません。
だから、繰り返せる = 話を聞いている という証拠になります。
ただし、「ただのオウム返し」とは違います。
自分の言ったことを、いちいち真似されたらイヤな気分になりますよね。
何も考えずに繰り返しているだけ、それが「オウム返し」です。
相手を不快な気持ちにさせます。
「返す」のではなく、鏡になった気持ちで「映す」イメージです。
自分の言葉を鏡に映して確認できるような状態だと、気分がよくなります。
相手がイヤな反応を示したら、それはただの「オウム返し」だったことに気づきましょう。
2.まとめる
「つまりは……ということですか?」
話し手は、取り止めもなく話し続けてしまうものです。
本人も、収拾がつかなくなっている状態ですよね。
そんなときには、相手の代わりに話を整理してまとめてあげるのです。
「そうなんですよ!」と言わせたら勝ち
「そうなんですよ!」という反応が返ってきたら勝ち。
相手は、解決策を自分で見つけることができます。
そして最後に、その心をくんであげること。
同情ではなく、優しく包み込むようなイメージで。
これができたら、どんな人とのコミュニケーションもうまくいきそうですね。
なかなか難しいことですが、無意識にまかせるのではなく、意識して心がけていくだけでも変わっていくと思います。
「そうなんですよ!」と言わせたら一本!
3.心をくむ
言葉の裏側にある相手の本心をくみとる
結局のところ、アクティブ・リスニングの目的は「心をくむ」ことですよね。
それは、つまり。
言葉通りに受け取らない
たいていの場合、表面に出てきた言葉は、本心ではありません。
カッコつけて言っていたり、飾っていたり、遠慮していたり。
「本物の言葉ではない」と考えていたほうがいいでしょう。
そういう意味では、「話半分に聞く」ことが大事です。
出てきた言葉は「半分」だけ受け取り、残りの「半分」は何なのかを探る感じですね。
一番難しいところですが、ここができれば、話した充実感や安らぎを感じてもらえるはずです。
アクティブ・リスニングのポイントと注意すべきこと
ポイント
- 100%理解を目指す
- 発する言葉を完全に追う
- すべて書き留められるくらい集中して聞く
- 一言ももらさず聞こうとする迫力で聞く
- 相手に関心をもって接する
- 質問を繰り返すと解決策に近づく
- 話に出てくる重要なサインを見逃さない
→そこを一気に深堀り - 最後まで聞いたら、簡単に確認する
- ただし、かまってちゃんには線引きをする
これはNG!
- 頭のなかで、別のことを考える
- 早く終わらないかなと思う
- そもそも聞かない
- 話の腰を折る
- 相手を見下す
- 確認や深堀りのための質問をしない
- 結論から言え!と言う
- 仮説をもって聞く(思い込みになりがち)
部下へのアクティブ・リスニング
- 悩んでいる部下に問いただすのではなく、寄り添い、話す気になるのを待つ
- 聞き出すことがポイントではなく、支援している気持ちが自然に伝わるようにする
- 話し始めてワケがわからないことを言っても、うなずいて聞くだけにする
- 支離滅裂でも整理しようとせず、まずは聞き役に徹底する
- イライラしながら聞くとすぐ相手に伝わる、あせりは禁物
- 先読みせず、無心に耳を傾ける
- 聞きながら人と比較しない
- 聞き出すのではなく自然に話してくれるのを待つ
報告・連絡・相談ができない原因は、「どうせ聞いてもらえない」と思っているから
貝は一瞬にして閉じる
話を聞いているとき、ついつい、このような対応をしてしまいませんか?
- 途中まで聞いて、わかった気になる
- 何を話すかを考えながら聞く
- 相手の話をさえぎって、説教を始める
- 自分なりの解釈をして、答えを与える
- 自分の経験談を話し始め、頑張れと言う
これでは、聞いてもらう側が、聞いてあげなきゃいけない立場に逆転します。
「聞いてもらった」という気持ちにはならないどころか、「言わなきゃよかった」と思ってしまいますよね。
どんどん、話すことがイヤになっていきます。
相手の声を聞くというのは、決めつけず、自分なりの解釈も加えず、評価もせず、「ただただ聞く」こと。
「結論から話せ」は絶対にNG!
面倒だけど仕方ありません。
全部聞かないことには、良好な人間関係は生まれないからです。
ただし、最後まで全部聞く人はかなり少数なので、徹底してみると、圧倒的に信頼されることは間違いありません。
相談されることが増え、あらゆる情報が集まり、リーダーシップを期待されることが増えていきます。
自分にとっても、いいことばかりですね。
- 大きくうなずく
- あいづち:「なるほど!」「そうなんですね!」
- 身を乗り出して聞く
- 疑問に思ったら質問する
- メモを取りながら聞く
- 指示するときは書いて渡す
人に関心をもとう
まとめ
アクティブ・リスニングがコミュニケーションの原点
- 心の底から真剣に、本気で聞く
- 相手に対して強い関心を持つ
- 安心して話せる状況を作る
- 決して早わかりしない、決めつけない
ちょっとだけ話して、わかった気分でいられると、不満がつのりますよね。
まだ全部話してないのに、何がわかったのだろう
なぜ、ちょっとだけ聞いて決めつけるのだろう
だから、コミュニケーションの基本は、「全部聞く」ことです。
全部聞かないと、本当は何を言いたかったのかは決してわかりません。
そして、全部聞くと、相手との関係は好転していきます。
相手がなぜそう言っているのか、なぜそういう話を一生懸命説明しているのかを考えながら真剣に聞くのです。
まさに “アクティブな” リスニングです。
どうしても難しいときは、「繰り返す」「まとめる」を意識してみましょう。
それだけでアクティブ・リスニングができるようになります。
「繰り返す」「まとめる」ことを考えると……
必然的に、必死に聞くことになる!
ということで。
「そうなんですよ~!」と言わせたら一本!
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